Opinion : あなたの震災対策は大丈夫 ? (2003/9/1)
 

自分の妙な特技の一つに、「地震の直前に目が醒める」というのがあった。過去形で書くのは、今はできなくなってしまったからなのだが。
夜中にグーグー寝ていても、パッと目が醒めると、まもなく地震がやってくるという経験を何回もしている。どうも、以前に住んでいた部屋が 1F で、地面の動きをストレートに受けるのと関係があったのではないかと思っている。

今の部屋に引っ越してからは 1F ではなくなり、結果として "地面が遠く" なってしまったので、地震の前に目が醒めるということは滅多になくなったが、それでも揺れれば目が醒める。だが、直前にならないと目が醒めないから、地震予知の役には立たない。あしからず。


そのことと直接的な関係はないのだが、平素から、地震対策らしきことは、いくつか手を打ってある。数日間は持ちこたえられる程度の食い物をストックしておくとか、家具が転倒しにくいようにするとか。仕事部屋に作り付けの書棚を設置した際にも、強硬に「扉付きにして、耐震ラッチも付けてくれ」と言い張って、業者の人に呆れられた。

ちなみに、耐震ラッチとは、いったん押し込むとラッチが外れて、扉を開けられるというもの。これなら、地震で中身が飛び出すという事態は考えにくい。ちなみに拙宅の場合、台所の棚も最初から耐震ラッチ付きになっている。食器類が少ないので、拙宅には食器戸棚というものは存在しない。この辺が女性の一人暮らしと違う。

また、寝ているときに家具が転倒してきて押し潰されてはかなわないので、寝室にはベッド以外の家具は存在しない。家族が増えたらどうなるか分からないが、独身の間は、この体制は変わらないだろう。
さらに、枕元に電話の子機 (実は PHS。デジタルコードレス電話なので子機兼用になる) を置いてあるので、身動きが取れなくなっても、寝床の中から電話をかけられる。

そんな調子だから、建物が倒壊でもしない限り、家にいて地震で危険な目に遭う可能性は低いと思っている。とはいえ、実際に「コンバット・プルーブン」にならないで済むことを願うばかりだ。

だいたい、東京だけでなく神奈川・静岡・山梨・愛知あたりの人は、程度の差はあれ「東海地震」の影を感じながら暮らしているものだから、地震対策について「まったく、なーんにも考えていません」という人は、意外と少ないのではなかろうか。阪神淡路大震災の場合、「関西は地震が少ないから」という根拠のない通説があったから、そういう状態のところに寝込みを襲った格好になってしまったのはまずかったと思う。

でも、災害というのは "意地悪ばあさん" みたいなものだから、考えが及ばなかったところが狙われて、予想外の被害を発生させる。かつて、宮城県で大地震が発生した際にブロック塀の倒壊や家具の転倒、押し出しが問題になったのが典型例。拙宅でもいろいろ対策を講じてはいるものの、きっと本番では予想外の事態に慌てるのではなかろうか。

それでも、地震という現象そのものに大きな違いはないのだから、過去の被害事例について調べてみれば、自分の現在の住まいの内外において、どんな危険が考えられるかはそれなりに想定できるはずだ。もちろん避難訓練や火災対策も大事だけれど、地震に伴う危険が他にもいろいろと家の中に存在している可能性は、無視してはいけないと思う。


もし借家住まい、あるいはこれから家を買おうとしている人なら、災害に対する抗堪性という観点から住む場所を考える方法も、「あり」だと思う。地盤の強弱なんかはパッと見には分からないにしても、ちょっと地理や地質のことを考えてみれば、避けたい場所は自ずから出てくる。

以前、柳田邦男氏の「事故の視角」という本を読んだときに、広島で終戦直後に発生した土石流災害の話が載っていた。なんでも、元の陸軍病院が土石流にやられて大被害が出たというのだが、それがもともと土石流にやられそうな川筋の場所で、そこに何も考えずに陸軍が病院を建てたのだそうだ。しかも、戦争のトバッチリで天気予報などあって無きが如しだったことが、被害を拡大したらしい。

そう考えると、実は防災対策というのは「住む場所選び」の時点から始まっているわけだ。もちろん、地震だけではなく、水害など、その他の災害のこともある。先祖伝来の土地があって身動きが取れない場合は別として、選択の余地があるのなら「災害に対する抗堪性」も、考えてみたいファクターだ。

こんな風に、災害対策という観点から考えると、個人のレベルで考えられること、手を打てることというのは、意外といろいろあるものだと思う。ちょうど 9/1 は「防災の日」だから、そんなことについても考えてみてはいかがだろうか。

もちろん、水や非常食の備蓄は基本中の基本だけれど、それだって買ったら買いっぱなしでは意味がない。定期的に入れ替えて、いつでも使える体制にしておかなければならない。それに、いざというときに食べる気が起こるようなものを備蓄しておかなければ、ただでさえ気が滅入る災害の際に、ますます意気が阻喪してしまう。
だから、乾パンは非常食としてはお勧めしない。自衛隊ですら、戦闘糧食 II 号では乾パンをやめてクラッカーにしているぐらいなのだから… 正直な話、自衛隊の缶飯を民間に売り出してくれたら、意外と人気が出ると思う。まさか缶飯に軍事機密も何もあるまいし。

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