Opinion : 東北・上越新幹線に関する与太話 (2004/2/16)
 

昨年の後半から、仕事で毎月のように盛岡に出かけているので、その度に東北新幹線を利用している。基本的には <はやて> で往復するパターンだが、わざわざ E4 系 P 編成の <Max やまびこ>、あるいは E3 系 R 編成の <こまち> に浮気してみたこともある。
また、今年に入ってからはスキーに行く機会が増えて、1-2 月にかけて、上越新幹線に毎週のように乗っていた。普段なら車窓を重視するところだが、さすがに毎週のように同じ区間に乗車していると、Max の 1 階席でもいいかと思えるから面白い。新幹線通勤をしている人も、同じような心境なんだろうか ?


東海道・山陽新幹線も意外と車両のバラエティが増えてきているが、やはり面白いのは新大阪から先で、東海道区間では 500 系をつかまえない限り、やや面白みに欠ける。その点、東北・上越新幹線 (とその周辺) は、行き先も車両もバラエティ豊富で面白い。といっても、バラエティがあり過ぎるのは運用効率の面で辛いから、系統ごとに車種を統一しようとするのも当然といえば当然だろう。
上越新幹線沿線では、新しい E2 系が上越から外されることで文句をいっている人もいるらしいが、距離が長い東北新幹線に、高速性能に優れた車両を集めるのは当然の判断というもの。

盛岡に向かう場合、新しくて快適、しかも速い <はやて> を利用する機会が多いが、東北新幹線は線路がいいせいか、乗り心地では JR 東海の <のぞみ> と同等以上だと思える。これは、車内で仕事をする際に、意外と無視できないポイント。自分の場合、テーブルではなく自分の膝にノート PC を載せて揺れを吸収させているが (これをやらないと、揺れる車中ではかなり辛い)、東北新幹線では比較的、気を使わずに済む。これが山陽新幹線だと、トンネルが多いせいもあってヒヤヒヤものだ。

実をいうと、もっと評価されていいと思っているのが、八戸開業時から導入された、車内改札の廃止。自動改札機を通過した際に収集したデータを車掌の端末機に送信することで、車内改札によって座席の埋まり具合や乗客別の行き先状況を把握する手間を省いているのだそうだ。
考えてみれば、これも一種の IT 革命といえる。同じように自動改札機を使っている JR 東海も、同様のシステムを入れてくれないものかと思う。出張族の多い東海道・山陽新幹線でこそ、車内改札を省略できれば喜ばれると思うのだが。(もっとも、JR 西日本に自動改札化されていない駅が残っているから、難しいのかもしれない)


と、調子のいいことをいろいろ書いてきたけれど、「こんなことでいいのか」と思わされるような事態を、昨年 11 月に乗車した <Max やまびこ> で経験した。

いったい何事かというと、5 号車にある売店に「何かないかな」と偵察に行ってみたのだが、階段を上がって売店エリアに出た途端に、目の前にダンボール箱がいくつも出現したのだ。つまり、売店は車販基地も兼ねているから、その車販が使用する商品のダンボール箱が、売店手前のデッキ部分に積まれていたという訳。

これは、接客業としては、いささかいただけないのではなかろうか。事情はどうあれ、乗客が通過する、あるいは買い物に来るパブリック・スペースで舞台裏が丸出しというのは、あまりにも見苦しい。某所のケーキ屋さんでも似たような経験をしたが、これほど露骨ではなかった。いってみれば、飲食店でホールのど真ん中に勝手口があるようなものではないか。
これが東海道・山陽新幹線なら、売店兼車販基地があるのはグリーン車と普通車の境界にあたる 7・11 号車という、もっとも人通りの少なそうなエリアだから、比較的目立たない。しかし、Max の場合は編成のど真ん中に当たる 5 号車でダンボールを積み上げているので、非常に目立つ。

長い編成の中で、1-2 ヶ所しかない売店に買い物に出向く乗客が、それほど多くないのは理解できる。8 両編成の E4 系でも、16 両編成の 300 系や 500 系でも、その辺の事情は似たり寄ったり。ただ、だからといって、乗客が通過するスペースに商品の箱を積み上げておいていいという法はない。もし置き場所がないなら、現場の実情を汲み上げきれなかった車両設計陣の責任だ。

もっとも、後になって乗車した上越新幹線の <Max たにがわ> では、売店に箱を積み上げたりしていなかったから、列車にもよるのかもしれない。しかしなあ。

駅の構内営業や車内・車外の広告についてもいえることだが、JR グループは、ちょっと場所があると無節操に店を出すという傾向が強過ぎやしないだろうか。もちろん、一等地だから無駄にしたくないというのは分かるが、この車内販売の「舞台裏丸出し」の件も含めて、もう少し秩序とか美観とかいったことにも気を使ってほしいものだと思う。
最近、山手線に増えてきた車体広告も、いささか首をひねりたくなるような印象を受けるものが、中には存在する。もっとも、空港の取り澄ました雰囲気よりも、鉄道駅の雑駁な雰囲気の方が生活観が漂っていて親しみやすいのは事実だが、それにしてもモノには限度というものがある。

と、いきなり苦言を呈してしまったが、事情はどうあれ、新幹線は JR グループにとってのバックボーン ネットワークのようなもの。それがしっかりしてくれないと、全体の足腰が怪しくなると思うからこそ、文句をいうわけだ。仕事や遊びの行き帰りに、ほんの数時間を過ごすだけの空間とはいえ、それが快適かどうかは無視できない要素だから。
また、今後も出張その他で利用する機会が多々あるはずだが、いい旅をしたいものだと思う。

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