Opinion : クルマが売れないんですって ? (2007/6/25)
 

自分がクルマを買い換えた途端に、こんなことを書くのも何だけれど。ヒマネタの駄文をひとつ。

しばらく前、トヨタかどこかの偉いさんが「クルマが売れないから何とかしなければ」とかいう趣旨の発言をしてニュースになり、それに対して「人件費節減に邁進して、結果として購買力を落としているのはトヨタだろーがっ」と文句をいう人がいたらしい。その主張が正しいかどうかはともかく、クルマの国内販売が伸びていないのは事実。

人口が増えていないのだから、需要が永遠に伸び続けるということはあり得ないし、景気が悪い分だけ同じクルマを長く乗り続ける人が増えた (結果として新車の売れ行きに響く) 事情もあるだろうけれど、それだけなんだろうか。


公共交通機関が整っていない場所ならともかく、都市部ではクルマなしでも困らない場合が多い。その一方で、駐車場だ保険だと維持費がかかるし、原油価格上昇と円安のダブルパンチでガス代が上がっている昨今なら、なおのこと。
特に任意保険は、新米ドライバーほど高くつくから始末が悪い。私の場合にも、10 年前と今を比較すると、保険料は半分以下になっている。

それでも、自分が学生だった頃には「クルマぐらい持ってなくっちゃ」という風潮があったから、バイトして維持費を稼ぎながら、なんとかクルマを維持していた人がそれなりにいたと思う。最近では、クルマ以外にもカネのかかるネタはいろいろあるし、そんなこんなで、相対的にクルマの重要度が下がっているのは確か。昔と違って、主婦の人がこぞってミシンを買わなくなったのと似ている ? (そりゃまた強引な)

自分の場合、免許取得から 10 年ぐらいはペーパードライバー生活をしていた。ふと思い立って、懐具合と維持費を突き合わせてみて「なんとかなるんじゃないの」と判断したので 10 年前に現役復帰。実際に自前のクルマを手に入れてみると、いろいろ便利なこともあるし、楽しいこともある。

それに、クルマがあるとないとじゃ大違い、という世界もある。スキーは新幹線でも行けるけれど、やはり行先が限られてくるのは事実。ましてや、ゴルフ、釣り、ダイビングなんかをやっている人は、クルマがないと大変だと思う (自分はやったことがないので、想像)。それに、大きな買い物をする場面でも、自前のクルマがあると便利。もっとも、日本では配送システムが発達しているけれど… あれ ?

おっと。そんなこんなで、たとえ都市部といえどもクルマがあると便利な場面はいろいろあるのだけれど、そのメリットと、維持費、あるいはクルマ以外の出費を天秤にかけた結果、買わなくてもいいや、と判断する人が多いのだろうなと。


ドライバー人口が頭打ちなら市場は限られてくるし、PC みたいに二台目・三台目の市場を創出するのは無理がある (1 台目の市場が縮小しているから、問題になっているのに)。となれば、落ち込んでいる販売を立て直そうと思ったら、今はクルマを持っていない人に使ってもらうしかあるまい。

とはいえ、使用頻度があまり高くないクルマが増えるのもどうかと思うし、クルマの使用を増やして公共交通機関をこれ以上没落させるのも、総合的な交通政策としては問題がある。なんて考えていくと、ときどき発生する「クルマがあると便利な場面」を有効活用するのが手かなあと思った。

たとえば、最寄りの駅が徒歩だとちょっと遠いとか、坂道の上り下りが発生するとかいうマンション、あるいは団地なんかで、カーシェアリングをワンセットにしてしまう方法。「インターネット接続環境付き物件」ならぬ「カーシェアリング付き物件」というわけ。自動車メーカーや販売店、それとデベロッパーが最初から連携して、場合によってはレンタカーやリースを手がけている業者まで巻き込んだっていい。

クルマにこだわりがある人なら、車種の選択やオプション、改造などの自由度がないから「共用」は嫌がるだろうけれど、そういう人は最初から自前で買うだろうから問題なし。たまに「下駄」としてのクルマが欲しいという人が相手なら、カーシェアリングでも、そんなに問題にならないのでは。

自前でクルマを 1 台抱え込んで維持するのが大変なら、そういう人が集まって費用を分担しながらクルマを共用することで、費用負担を軽減できるはず。1 台を仮に 4 人で共用すれば、単純計算で費用負担は 1/4。
問題があるとすると、クルマを使いたいタイミングが複数の人の間でかち合うケース ? あと、ガス代の公平な負担を図るには「満タン返し」が必須になるので、それをどう守らせるかという問題もありそう。

そういえば、ずいぶん昔に NIFTY-Serve かどこかで、「レンタカーの方が、いろいろなクルマに乗れるから楽しい」なんてことをいっている人がいた。一理ある。
たまにしかスキーに行かない人なら、自腹でスタッドレスタイヤを買う代わりにスタッドレスを履かせたレンタカーを借りる手もあるし、レンタカーも使いよう。

そんなこんなで。クルマを買わない理由として「維持費」の問題が大きければ、費用負担を合理的に軽減することで、いくらかは需要を増やせるんじゃないかと思ったのだけれど。甘いかしらん。

それと、気軽にクルマの現物を見られる場所が欲しいと思う。トヨタはアムラックスや MegaWEB を持っているけれど、他のメーカーにはそういうのがない。とはいえ、資金の問題もあるから、メーカーがそれぞれ自前で持つのは大変だろうし。だったら、自工会あたりで音頭をとって業界共同で、各社の主なクルマを見られるような施設をつくるのって、ダメ ?


あと、売れ行きの問題とは直接関係しないかもしれないけれど、長いことペーパードライバーをやっている人にとっては、"現役復帰" のハードルは高いもの。へたすると基本操作から忘れている可能性があるし、実際、自分も 6 年半前に AT 車から MT 車に乗り換えたときには苦労した。でもって、出だしでエンストさせて社会に迷惑を振りまいてしまった経験多数 (凹)。

「ペーパードライバー教習」のメニューを用意している教習所はあちこちにあるけれど、これも気軽に利用できるようにするとか、1 年、あるいは半年に一度ぐらいの割合で「技量維持講習」として売り出すとか、何か手がないかなあと。

極端に運転頻度が低い人、あるいはペーパードライバーから復帰したばかりの人が増えると、不慣れゆえに安全性の問題が出てくるかもしれない。そう考えると、運転に慣れた人を増やすことは、安全性を高める意味もあるんじゃないかと思うわけで。

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