Opinion : ユーモアは一服の清涼剤 (2007/8/20)
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海軍士官心得について書く… わけではなくて。
私、自分ではどちらかというとお堅い性格だと思っているし、実際、冗談を真に受けすぎたり、しなくていいマジレスをしてしまったり、なんていう困った実績もいろいろ。こういう性格の人が無理やりユーモア精神を発揮しようとすると、往々にしてぎこちなくなってしまうものだけれど。
それでも、普通に真面目に対応するよりもユーモア精神を発揮する方がいいよなあ、と思う場面はいろいろあるので、試行錯誤中。
たまたま幼少の頃から戦史を読んでいるから、「戦場のユーモア」みたいな話はいろいろ読んだ。これが結構面白い。たとえば… と思って並べてみたら、なぜかイギリスがらみのネタばかり。
敵地に行って爆撃するついでに、ビール瓶を投下したモスキート搭乗員 (これが、ベルリン・キャンディ・ボマーの話や、イラクでテディベアを投下した話につながる… わけじゃないか)
木でドーバー海峡沿岸に贋物の大砲をこしらえて敵を欺瞞しようとしたら、ドイツの爆撃機がやってきて、木製の爆弾を投下していった
わざとヒトラーが演説する時間を狙って爆撃機をゲリラ的に送り込み、爆撃効果というよりも演説を台無しにする効果をねらった英空軍
あと、パッと実例を思いつかないけれども、日常的な場面、あるいは凄絶な戦闘の最中に、ひょいとジョークを飛ばす人がいたりもするものらしい。
そういえば、合同演習で一緒になった同盟国の飛行機に、こっそりカンガルーを描くイタズラをする某国 (「某」になっとらんわい) のような、イタズラの事例も多いのがこの業界。「SAS 戦闘員」にも、上官にイタズラをする話が出てくる。
多分、皆がピリピリしてしまうような場面でこそ、ユーモアで緊張をほぐすことも必要だという先人の知恵があって、それで「海軍士官心得」に %タイトル% のようなくだりが加わったのかなと推測してみた。もっとも、時と場と内容を選ばないと、「何いってるんだ馬鹿野郎」といって殴られそうでもあるから、難しいところ。
これは、何も戦場に限った話ではなくて。本来ならピリピリしたりカッカしたりしそうな場面で、ユーモア精神を発揮してお笑いやパロディにしてしまえるのも、ひとつの才能かなと思う。
たとえば、同じように「権力批判」という立ち位置のサイトでも、気持ち悪いバナーを腐るほど貼り付けて罵倒の限りを尽くしている「あんなサイト」や「こんなサイト」と比べれば、「bogusnews」の方が、ずっとシャレが効いていて好感が持てる。ただ口汚く罵倒するだけじゃ品がない。
いわゆるサヨクや左翼の人、あるいは政党がなかなか広範な支持を得られない一因も、このユーモア感覚の欠如というか、ひたすら対象を批判・罵倒・絶叫するスタイルにあるんじゃないかなあと。でも、真面目な人ほどそっち方面に走りやすいと考えると、仕方ない ?
そういえば、日本でも戦時中に「『贅沢は敵だ』は『贅沢は素敵だ』の間違いだ」みたいな類のジョークがいろいろ出回っていたみたいで、それをまとめた本も出ていたはず。まさに、ジョークは庶民の武器。かつてのソ聯にも、風刺系のジョークがいろいろあったようだけれど。
ちょうど blog の方で盛り上がっている、「○○は戦争を想起させるから禁止」の件にしても、単に投書の主や宇治山田商業の対応を批判するエントリにする手もあった。でも、それじゃ面白くないってんで、ネタ化して遊んでいる真っ最中。半ば駄洒落大会と化している感もあるけれど。
これ、「パソコン兵器」の時と同様に「あなた方の主張を敷衍すると、こんなトンでもないことになっちゃいますよ ?」という趣旨でやっているわけだけれど、提示の仕方ひとつで、普通のお堅いエントリにする代わりにお笑い系にしてしまっている。その方が、普通にロジックを並べるよりもインパクトがあって、投書の主がいかに無茶苦茶なことをいっているか理解しやすいと思ったから。
駄洒落といえば。私が駄洒落・オヤジギャグの帝王 (?) なのは、知っている人は知っている話だけれど、それと知らずにオフ会の席で本物と相対して、ビックリする方もいらっしゃる様子。ネット人格とリアル人格のギャップというのはよくある話だけれど、そんなにお堅くてコチコチな人だと思われてるんだろか。blog に「替え歌」なんてカテゴリがあるんだけど。
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もちろん、まともに議論が成立している最中にいきなりネタ化したら顰蹙モノだけれど、「これはどう見ても変だろ」というネタが転がってるとか、相手がハナから自説を押しつけるだけで人のいうことを聞く様子がないとかいう場面では、ネタ化・パロディ・ジョークで笑いをとってしまうのもひとつの手かなと思い、日々実践中。
といっても私の場合、往々にして英国式超ひねくれジョークになってしまいがちなので、そこのところの修業が必要だなあと思う今日この頃。
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