Opinion : 手に入らないものほど欲しくなる、の法則 ? (2008/1/14)
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しばらく前、mixi のオフ会で「秋葉原で、メイド居酒屋とコスプレ居酒屋をハシゴする OFF」という、私一人なら絶対に実現しそうにない種類のイベントがあった。そのときに 2 件目のお店で売っていたのが、「おにいちゃん CD」。
どんな商品なのか気になる方は、各自で適当に検索していただくとして。
別に、公序良俗に反する商品ってわけではないし、買いたい人は買えばいいと思うけれど。
ただ、自分みたいに 3 次元の妹がいる人間は、まず買わないだろうなあ、と思ったのも事実。うちは特に兄妹仲の良さで定評があるけれども、そうでなくても。だって、「お兄ちゃん」と呼ばれるのは日常であって、特別なイベントでも何でもないわけだから。ええ、齢 40 を過ぎてもそうですとも :-)
もっとも、立場を変えれば逆のことは起こりうる (え
自分は第一子長男だから、兄も姉もいない。だから、「お兄さん」はともかく「お姉さん」ならグラッと来てもおかしくない (かもしれない)。
つまりは、存在しない種類の兄弟姉妹だからこそ、それが存在する人がうらやましく見えるのかも知れないなあ、ということ。そして、存在しないがゆえに妄想がふくらんでしまうことも。いずれのパターンも、実在する人からすれば「何いってんだボケ」となるのは、まず間違いのないところだろうけれど。
これが、自分の努力でどうにかなるとか、あるいはおカネを積めば手に入るとかいうものだったら、まだ話は簡単。実現までのロードマップは作れる (こともある) から。ところが、兄弟姉妹となると事情が違う。特に「兄」や「姉」の場合、存在しなかったものが後から出現したら大変だ。「弟」や「妹」なら、まだ可能性があるけれど。
そんでもって、手に入らない、あるいは実現が難しいとなると、いよいよ欲しくなってしまうのはよくある話。例えとしては適切でないかも知れないけれど、「玉の輿」に乗りたくて医師・弁護士などが集まるパーティーをハシゴする人なんか、そんな心情になったりしないんだろうか ? まあ、妄想をたくましくしているとか、パーティーをハシゴしているとかいうぐらいなら、まだ罪がない。
これが、「核兵器が欲しい」と思い込んでしまった独裁者なんかだとタチが悪い。そのうち、核兵器を手に入れるためなら手段は選ばなくなり、表のルートに裏のルート。隠蔽工作なんてお手の物。ばれたら仕方ないから、開き直ったり恫喝したり。といった調子で、始末に負えない事例はいろいろ。
さらに、いざ核兵器を手に入れたとなると、当初からの思い入れが強いだけに、「神の力」を手に入れたかのように勘違いしてしまいそうでもある。実のところ、核兵器を手に入れれば、それに付随する問題がいろいろ出てくる。
これは以前に書いたとおりだけれども、核兵器を持っている国なら分かっていることが、持っていない国には分かっていなかったりする。そして、いざ現物を手に知れた途端に、それまでは考えていなかった (かもしれない) 問題に直面して愕然とする、なんてことになりそうだ。
はて、「日本も核武装すべきだ」と安直に主張する国士様が後を絶たないのも、こんな事情によるものなんだろうか。
まあ、核兵器は話が大きすぎるとしても。この手の現象は、「○○が欲しい」という思いが強くなりすぎると、どんな分野でも起こり得る話なのかも知れない。「手に入りやすさ」の度合はいろいろ違うにしても。
何かというと二言目には「政権交代」の 8bytes がセットになってくる民主党なんか、自分達がどんな日本を作りたいかとかいう話はそっちのけで、「とにかく政権交代すれば問題解決」症候群にかかっていたりしないんだろうか。なまじ、過去に選挙で大敗して政権交代が遠のいた経験があるだけに。
「民主党の公約は何ですか ?」「はい、政権交代です」って、本当にいいそうで笑えねえ。
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じゃあ、妄想や想像、思いこみの類が激しすぎないようにするにはどうすればいいかというと、やはり「体験者の発言」が重たいのかなあ、という穏当なところに落ち着く。
目から鱗が落ちるような、意表を突いたアイデアを期待していた皆さん、ごめん。でも、真に有効な解決策って、えてして地味であたりまえな内容なんじゃないかと思う。
とはいえ、PC やデジカメやクルマやスキー板や、誰でも手に入れようと思えば手に入れられるモノなら話は簡単だけれども、モノによっては難しい。手に入れている人が少なかったり (例 : 核兵器)、個体差が激しすぎて参考にならなかったり (例 : 妹)、手に入れていても答えようがなかったり (例 : 政権) する場合があるから。
でも、当人が何も喋ってくれなくても公開情報を基に研究する手もあるわけだし、それすらしないで妄想ばかりが一人歩きするのは、もっともヤバいんじゃないのかなあと思った次第。それに、あまりにも妄想や事前の期待が膨らみすぎて、いざ現物が手に入ったときに「なあんだ」と期待はずれ状態になったら、「可愛さ余って憎さ百倍」なんてことになりかねない (かもしれない)。
それにしても、「おにいちゃん CD」からここまで話が展開するって、いったいなんなんだ。
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