Opinion : 女子力アップ大作戦 (うそ) (2011/5/2) 　 モテる女子力を磨くための 4 つの心得 (1.〜3. については面倒なので省略) 4. 家電量販店では電気を使えない女をアピールせよ 男と家電量販店に入ったら、真っ先に便利そうな電化製品を探して「あーん！　私これ使えないんですよねぇ〜 (悲)」と言いましょう。するとほぼ 100 パーセント「どうして？　使い方が分からないの ?」と聞かれるので、「使い方は分かるし使いたいけど、使えないんですっ＞＜」と返答しましょう。ここでまた 100 パーセント「使いたいのにどうして使えないの ?」と聞かれるので、うつむいて 3〜5 秒ほど間をおいてからボソッとこう言います。 「……だって、……だって、電気を使ったら原子力発電所の電気を使っちゃうじゃないですかぁっ！　原発がある県の住民がかわいそうですぅ !　自分のところで使う電気でもないのにぃぃ〜 (悲)。もしも事故や大地震や津波に遭ったら風評被害にさらされるんですよ……」と身を震わせて言うのです。 その瞬間、あなたの女子力がアップします。きっと男は「なんて優しい天使のようなコなんだろう !　絶対にゲットしてやるぞ !　コイツは俺の女だ !」と心のなかで誓い、あなたに惚れ込むはずです。意中の男と付き合うことになったら、そんなことは忘れて好きなだけ電化製品を使いまくって大丈夫です。「電化製品は使えないんじゃなかったっけ ?」と言われたら「地球温暖化防止には代えられない」とか「いまさら不便な生活には戻れない」、「あたしに面倒な思いをさせようっていうの !?」と言っておけば OK です。 と、普段とはいささか違うテイストで始めてみたけれど。 真面目な話、なにも電力に限らずその他の分野でも、「製品やサービスを改善しろ」「地球に優しくしろ」「絶対安全にしろ」「でもコストは上げるな」という。もしも何かトラブルが生じたり、自分が不便な思いをしたりすれば、(前言は忘れて) 真っ先に大声で文句をいう。そういうもんなのではないかと思った。 たとえば、飛行機に乗るのに「座席が狭いのは嫌だ、何も食事が出ないのは嫌だ、美味いものを喰わせろ、目的地にはできるだけ早く着きたい、当然ながら事故や遅延は却下、でも運賃はできるだけ安くしてね。環境に優しくしてくれないとダメよ」といった感じになるだろうか。なんか、矛盾だらけのような気がするけれど。 いわゆる文明の利器、あるいは現代社会を支えているさまざまなモノ・サービス・組織などにも適用できそうな話だけれど。 それによって得られるさまざまなメリットに自分がドップリ依存しているところは無視して、デメリットの話について針小棒大、言いたい放題、さんざん物言いをつける。ところが、いざそれが手に入らなくなると、それはそれでまた物言いをつける。それはいささか、調子が良すぎる上に勝手な話じゃないのかなあ、と書いてみたかった。 そういえば以前に、「戦争反対とかなんとかいっている人に限って、いざ自分が戦乱に巻き込まれて被害を受けたら真っ先に『国が国民をちゃんと護ってくれなかった』と文句をいうんじゃないか」と書いたことがあるけれども、それとも共通する部分がありそうな話。 それを、得意の「改変コピペ仕立て」でおちょくってみたのが冒頭のやつ。本当に「"原発の電気を使えない女" をアピールすれば女子力がアップするかどうかどうかは知らない (をひ)。そもそも、オリジナルの「オムライスを食べられない女をアピールせよ」からして馬鹿馬鹿しさの極みだと思うし、もしも自分の前でそんなアピールをされたら、その場で放置して自分だけ家に帰る。 とはいうものの、「自分がいかに優しい人間か」「自分がいかに思いやりがある人間か」といった類の話をアピールしたい、という潜在的願望は、誰でも多かれ少なかれ、持っているものだろうな、とも思う。ひょっとすると、震災の後で出てきた「自粛ムード」の根っこにも、そういう心理がありはしないかと思った。もちろん、「周囲の目が気になって」というのもあるだろうけれど。 これも以前に書いた話で「武器輸出三原則の緩和に反対するとか、民生品の軍事利用に対して噛みついて回るとかいうのは、早い話が "自分の手は汚れていません" といいたいだけなんじゃないか」というのがあるが、これも根っこのところは共通しているのではないかと。 問題は、「優しさ」でも「思いやり」でもなんでも、それをどういう形で示すかという話のハズ。冒頭のコピペの元ネタは、それをあまりにも勘違いした形でやらかした典型例といえるのではないかと考えた次第。もっとさりげなく、嫌味のない形でやれればよいのだろうけれど。 そうか。それって米軍が展開した「トモダチ作戦」のことか ! (え ?)

Contents HOME Works Diary Defence News Opinion About

| 記事一覧に戻る | HOME に戻る |