Opinion : セルフ マーケティングに関する戯言 (2011/10/17)
 

別に、特定の個人に喧嘩を売るつもりはないし、そもそも一方の当事者である自分がこういうことを書くのもナンだけれど。

雑誌でも書籍でも Web でも、「○○が書いた記事は間違ってる」とか「自分の方がもっと詳しい」とかいう形で噛みつく人が出るのは、ことに趣味の世界、それもディープな趣味の世界ではありがちな話。

そういう発言をすること自体は個人の自由だし、筋が通った指摘であれば、突っ込まれた側もそれを受けて気合を入れるということで良いと思うけれど。

ただ、その「○○が書いた記事は間違ってる」とか「自分の方がもっと詳しい」が、自分が取って代わる、あるいは参入して記事を書く立場になるための手段というつもりなのだとしたら、それは大間違いなんじゃないかな。という話。もちろん、間違った記事より正確な記事であらねばならないのは当然のことであるにしても。

といったところで「趣味で書くもの」と「職業物書きが書くもの」の違いについてつらつらと書いてみたけれど、それはボツにした。それよりむしろ、セルフ マーケティングの話の方が大事かも、と思ったから。横文字で書くと意味不明だけれど、要は自分をどういう風に売り出して、かつ、それを維持しながらポジションを固めていくかという話。


紙媒体であれ Web 媒体であれ TV・ラジオであれ、職業としてやるのであれば、それは「商品」を作り出すことに他ならない。それであれば、自分がどんな「商品」を作り出せるかを認識・把握して、それに対応していくことが求められるはずじゃあないか、と考えている。

それには、「自分は○○の分野に詳しい」とかいう類の絶対的な指標と、既存の同業者に対する自分の立ち位置、あるいは自分が持っている能力という相対的な指標の両方が要る。その上で、自分がどういう「商品」を生み出すことができるかを考えて、提示していく。それは、書き手としての自分 (これも「商品」である) を売り込むことでもあるわけだけれど。

もちろん、何かを売り込む際には、それが現在の状況にマッチしていることも重要で、商品として成り立たないモノを提示しても相手にしてもらえない。もしも、特定の時点で商売になりにくいネタであっても、それが将来的に出番があるかも知れないと信じるのであれば、いったん引っ込めて雌伏しておいて、ここぞというところでパッと出すことも必要。

つまり、相対的な指標と絶対的な指標を組み合わせて、自分が置かれている状況と立ち位置を明確に把握・規定する。その上で、現状に対して自分がどんな商品を提示できるかを把握・実行する。それができるかどうかがキモ、という話になる。

そこで、他にも同じようなネタを書けそうな人が何人もいれば、そこではさらに別の差別化要素を必要とするだろうし。あるいはもしも、競合するような人がいなければ、そこは独占商売である (そういうことは滅多にないけれど)。

そういう視点が欠落した状態で、闇雲に自分のことだけ考えて「○○が書いていることは間違い、自分の方が詳しい、だから自分に書かせろ」では、セルフ マーケティングの体を成していないし、状況認識が足りないんじゃないかと。


これは余談になるけれども、「相対的な立ち位置」に関してありがちな落とし穴は、「他人にはない独自の着眼点」かも知れない。それがすべて悪いというわけではなくて、独自の着眼点を生み出そうとして無理するケースが出てしまうリスクがある、という意味で。

あと、周囲の風向きの変化に乗ろうとして煽り路線に乗ってしまったり、過激な発言で注目を集めようとしてしまったり、というのもありそうな話。それ、一時的には注目を集めたり人気につながったりするかも知れないけれども、後になって利息を付けてお返しされるのがオチじゃないだろうか。

いずれも、物書き業に限らず、他の業種でもありそうな話。御用心、御用心。

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