Opinion : Windows 8 と急進的改革と漸進的改革 (2012/10/22)
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この文面、TechNet 経由で入手した Windows 8 の上で書いている。
以前から、Windows 8 の Modern UI などについて、ブツブツと不平を垂れ流しているのは、本館や別館を御覧になっている方なら御存知の通り。
憤懣の根底がどこにあるかといえば、長らくオーバーラップ式のマルチウィンドウ環境に慣れた身としては「PC とスマートフォンやタブレットの UI を揃えることに、いかほどの意味があるのか」と疑問に思ってしまうから。
だから、手元の Windows 8 は標準装備の Modern UI アプリを [スタート] 画面からとことん排除して、使い慣れたアプリケーション群とゴッソリ入れ替え。さらに、Windows Vista/7 でショートカットキーを使って起動できるようにしたアプリケーションについては、Windows 8 でも同じように設定。
と、そんな調子で改造しまくって、なんとかイライラしなくても使える程度に仕上げた状態でサブ機にして様子を見ているところ。
そりゃ確かに、片手で持つしかなくてポインティング デバイスを使えないスマートフォンやタブレットなら、タッチスクリーンに依存するのは必然だと思う。だから、スマートフォンやタブレットなら、Modern UI で何も問題はない。
それに、同じ会社の同じ世代の製品だから操作性を揃えたいとか、いつまでも [スタート] メニューでいいのかとかなんとか、いろいろと思惑はあるのだろうけれど。
でも、画面サイズがでかくて、しかもポインティング デバイスを別途用意できるデスクトップ PC やノート PC で、果たしてタッチスクリーンを多用するもんだろうか、と疑問に思う次第。第一、いちいちタッチスクリーンのために画面に手を伸ばすのはめんどくさいし、画面が指紋でベタベタになるのはヤダ。
なるほど、過去には「マウス操作の仕方が分からなくて、マウスを画面に当てて動かし始めた人」なんて話が出回ったもの。でも、それだからといって「タッチスクリーン操作にすれば万事解決」ってものでもあるまいに。
ちなみに、F-35 のコックピットはタッチスクリーンを使用しているけれど、ドラッグ操作はできないようになっている。理由を訊いたら「何かの拍子に手がズルッと滑って誤操作してしまったらまずい」とのことで、深く納得した。
もっとも、これは Lockheed Martin 流の考え方だから、他所のメーカーでどこか「スマホ中毒」と化して、何でもかんでもスマホっぽい操作体系にしたコックピットを載せてくるメーカーが現れるかもしれない。やるとしたら、中国のメーカーあたりではないか :-p
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そもそも。なにも PC 用 OS のユーザー インターフェイスに限ったことではないけれど、何かひとつの事象を取り上げて「○○操作にしたので誰でも簡単」と宣伝していた場合、個人的には眉唾ものだと思うことにしている。そんな簡単でお手軽でインスタントな話じゃないんじゃないの、と。だいたい、マウス操作を導入したときだって、似たようなことをいってなかったっけか ?
この辺の話を煎じ詰めると、変化を急速に推し進めるのがいいのか、それとも漸進的に推し進めるのがいいのか、という話になるのかも知れない。「急進的改革派」と「漸進的改革派」の対立って、どんな分野でもよくあること。
ただし往々にして、急進的改革を進めようとすると余計なフリクションを引き起こして後戻りを余儀なくされたり、なにがしかの血が流れたりするもの。そもそも人間、年を食ってくると保守的になるもの。Windows 8 を見て「え〜」と思ってしまった自分も、それだけ年を食ったということかも。
そうはいっても、何か新しいモノが出てくると、それまで使っていたモノがいかにダサくて時代遅れなのかを吹聴するパターンを繰り返すのは、IT 業界の悪習だと思う。メーカーだけでなく、IT 系のニュースや情報を載せている Web サイトでも、そういう色が濃いところがある。具体的にどことはいわないけど :-p
とかなんとか、ブチブチと不満を垂れながら仕事をするのは気分が良くないので、まずは Windows 7 のまま引っ張って、ストレスなく Windows 8 に切り替える方策を模索するのが当面の方針。切り替えは漸進的に。
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