Opinion : ネット言論におけるぬるま湯 (2013/2/4)
 

いきなり毀誉褒貶が入り乱れそうなことを書くと、(ここみたいな) スタティックな Web サイトでも、掲示板でも、はたまた各種のソーシャル メディアでも、ネット上での言論空間との付き合い方って、人間を弱くする要素があるかもしれないなあと思うことがある。


(国によってはいろいろ規制していることがあるとはいえ) インターネットに接続された場でなにがしかの論陣を張れば、賛成意見も反対意見も感情的な反発も出てくるのが常。誰もが諸手を挙げて賛同するなんてことは、そうそうあるもんじゃない。

なんだけれども、誰でも賛成や賛同、称賛の声ばかり見たいと思うのは仕方ない部分がある。それは自分だって同じこと。そして、それができてしまうのもネット上の言論空間というもの。

以前にもどこかで書いたと思うけれど、Twitter でフォローする相手が自分と似たモノの考え方、似た方向性の人ばかりということは多いし、逆もまたしかり。その他のサービスでも事情は大同小異。ことにソーシャル メディアって「仲間内の馴れ合いツール」みたいなところがあるから。

で、似たような方向性を持つ仲間同士で賛同のコメントを付け合ったり、「★」や「イイネ」を付け合ったりしているうちに、受け手の側で、賛同の声ばかりだと勘違いしたり、賛同の声しか受け付けられなくなったり、なんてことにならないかなと。Twitter で Fav を付けられたり、リツイートされたりするのも同じ。

そこからさらに調子に乗っちゃって、「ひょっとすると自分って人気者かも、影響力があるかも」「よし、いっちょうアルファブロガーを目指して名を挙げてやろう」といって熱くなってしまい、おかしな方向に暴走するケースも皆無ではなさそう。
(そもそも、ネット言論とリアル言論の相関関係って、いいとこ部分集合どまりだと思うんだけれどねえ…)

そういう一種の「ぬるま湯」に慣れて、それが普通だと思ってしまうと、ちょっと批判的なことを書かれた途端に「誹謗中傷だ」ってブチ切れそう。そんな事例はいくつも見ていて、それが冒頭で書いた話につながる。

もちろん、本当に誹謗中傷されることだってあるわけだけど、そこのところの区別が曖昧で、批判的な論説に対して極端に弱い人っているよね、と。そして、「★」にしろ「イイネ」にしろソーシャル ブックマークにしろ、そういう傾向を助長する結果になっていないかと思う次第。サービスを提供する側が、それを意図しているわけではないにしても。

実のところ、ネット上の言論空間って「ぬるま湯」というより「火事場」だと思うのだけど。


身も蓋もないことを書けば、批判的な声や罵詈雑言は不可避なのだから、自分なりの閾値を設けて、それを超えた分はスルーすれば平和になる (そこの閾値は人それぞれだと思う)。ところが実際には、スルーできずに全面的拒絶反応、というのが往々にして見られる姿。

パソ通時代からいわれていることだけれども、自分の意見に対するネガティブな反応が直ちに、自分の人格、あるいは存在そのものへの批判であるかのように受け止められてしまうのは、よくあること。そして、それに反撃する際に「寸土も渡さず、退かず」となって、結果的に各所からかき集めた話のつまみ食いを重ねて論旨破綻、というのはありそうな話。

もともと、リアルワールドにおいても「自分と異なる意見の存在を認められない、抹殺せよ」という性向の持ち主だと、その傾向がますます助長されそうではある。

ただ、それはそれで労力が要ることなので、そこまでできなければ「賛同意見もあれば、反対意見もあるさ」と割り切って、ネガティブもポジティブもひっくるめて、いちいち反応を気にしないのもありかと。つまり「自分は自分の信じるところに従って、書きたいことを書きたいように書く。誰が何といおうが気にしない、結果的に受け入れられればラッキー」と。

といっても、実はそっちの方が根性が要ることかもしれない。誰でも自分が何か論陣を張れば反応が気になるものだし、「できれば賛同の声であって欲しい」と思うのは自然なことだから。

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