Opinion : 葬式鉄ホイホイについて考える (2013/5/6)
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別件のネタを用意していたのだけれど、急遽変更。
先日、たまたま某線を訪れたら貴重品の某車が走っていたので、某駅のホーム端に近いところでカメラをぶら下げて待ち受けていた。そしたら、そこにやってきたのがオッサンのグループ。
その中の一人が「君、そこから撮るの ?」というから何かと思えば、「ビデオを撮りたいんだけど、こっちからこうやってカメラを振るから、そこに人が入って欲しくないんだよね〜」と。これだから動画を撮る人は…
そりゃまあ、動画だとパンする分だけ影響する範囲が広い上に、背景の音まで気にするので、スチールよりもなにかと厄介だろうとは思う。でも、だからって先客の追い出しまでやりますかあ ?
たまたま、あまり人がいなかったから場所を譲ったけれども、それで大人しく引っ込まない。「今回は空いているから譲るけれども、そもそも後から来て、先にいる人をどかせるのはいかがなものか。常にそれが通用すると思うべきではない」といったら、なんだか言い訳めいたことをブチブチと口走っていた様子。
こういうのがいるから、撮り鉄が嫌われる素地ができる。ことに、いわゆる葬式鉄は傍若無人な振る舞いの度が目立つような気がするけれど、これは偏見かも。
この手の人が集中するのは、「引退間近」(特に惜別ヘッドマーク付き)、「イベントがらみなどの臨時」「SL 牽引」「検測車・甲種回送などの業務用」といったところが多いと思う。で、今回のお題にするのが最初の「引退間近」。
引退間近の車両に惜別ヘッドマークを付けたり、引退に合わせて臨時列車を運転したり、それに合わせてツアーを組んだりするのは、ことに近年ではよくある話。でも、そうなると撮り鉄がワラワラと群がってきて、駅も沿線のお立ち台も阿鼻叫喚の大騒ぎになり、警備員が何人も出てきて金切り声を上げるのも、またよくある話。
だいたい、殊更に「引退」と聞いて騒がない人でも、自分みたいに「早め早めに動くのがモットー」の人でも、惜別ヘッドマークが付いたと聞くと、また撮りに行きたくなってしまわないだろうか。
そうなってくると、惜別がらみで盛り上げて集客につなげる方がいいのか、黙っていきなり引退させて平穏に済ませるのがいいのか、と考え込んでしまう。そもそも、列車に乗ってやってくれば集客になるけれど、クルマで沿線に来られたら一銭の利益にもならないのだし、なんだか悩ましいところ。
そんなことを考えると、「惜別ヘッドマーク付きなんて止めちゃって、いきなりパッと引退させれば平和でいいじゃないか」と思ってしまう。でも、現場の乗務員や検修担当の方が、長いこと使ってきた車両に「最後のはなむけ」をしたくなる気持ちも、それはそれでなんとなく分かるし。
というのは、惜別ヘッドマークの中には現業機関が付けているものもあるらしいので。現場の独断専行ではなく、ちゃんと本社に伺いは立てているのかも知れないけれど。
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その辺のところで、うまい具合にバランスをとって、阿鼻叫喚の大騒ぎにならない形で引退する車両を平和に送り出してやることはできないものか、なんてことを考えてしまった。ただし前述の話からすると、何もしないで突如引退させるのでは、「うまい具合にバランスをとって」にならない。といって、外装をいじると、それを撮りたがる人がワラワラと湧いて出る。
そこで考えた名案。もとい迷案がひとつ。惜別のために何か記念を、というのは分かる。では、それを外から見える形でやらないようにしたらどうだろう。
たとえば、通勤型なら車内に広告枠がたくさんあるのだから、それを何枠か拝借して、そこで「引退のお知らせ」「この車両の経歴」「乗務員・検修担当一同からのご挨拶」といったものを掲示するとかなんとか。特急型車両だと広告枠がないから、ちょっと難しいかも知れないけれど、
それをどうしても見たければ現物に乗るしかないのだから、「クルマでやってきて運賃収入にならない」問題も緩和できそう。問題があるとすれば、車内で強引な立ち居振る舞いに出る人が現れる可能性と、掲示したモノを持ち去る人が出る可能性が考えられること。(ひでえ話だと思うけれど、玉電の最終日に車内のモノを持ち去るアホがいたそうなので、これは古くて新しい問題なのである)
ただ、その状態でずっと走らせていると、あっという間に情報が広まってしまって元の木阿弥になるので、せいぜい一週間ぐらいで「突然引退」にしてしまうのが無難かも知れない。
先日に自分の mixi 日記で真岡鉄道の SL の話が出たときに「有料お立ち台」の話が出たけれど、これも本気で検討してみていいと思っている。ただし、これを実現するには土地の所有などの問題が出てくるのが難しいところだけど。
「もっとも美味しい場所に、有料駐車場を設置する」という手も考えたけれど、うまい具合に駐車場にできる空き地があるとは限らないから、こっちはお立ち台以上に実現が難しいかも。
ともあれ、阿鼻叫喚の騒ぎを回避する施策を本気で考えないと、列車の運行妨害どころか、そのうち本当に怪我人や死人が出やしないかと心配になってきた今日この頃。何か早いうちに対策を考えないと、まずいんじゃなかろうか…
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