Opinion : ときには意図的に変化を起こす (2014/10/6)
 

先日、うちで使っているブラザーの複合機が故障した。といっても「全部」が故障したわけではなくて、スキャナ機能だけが故障するという器用な事案。プリンタは普通に機能しているし、コピーもとれるから、スキャン機能そのものが死んだわけではなさそう。でもスキャナ機能は PC からでもスタンドアロンでも使えない。

ともあれ、「マルチロール機というのは便利だけれど、いったんこけると影響が及ぶ範囲もでかい」という悪影響を改めて認識させられた次第。

その先の細かい事情をいちいち説明すると長くなるので、過程については省略することにして。

ともあれ)、仕事部屋に置いていた複合機と、別の部屋に置いていた PIXUS 850i (また骨董品を…) を入れ替える配置替えに踏み切った次第。ところが、複合機は電話・FAX も兼ねているので電話回線に影響が及び、そこからまた影響が波及して xDSL モデムの配置替えまでワンセットになってしまった。


という話が本題ではなくて。

その配置替えの過程で、当然ながらケーブルを外してつなぎ直す作業が発生する。そこで、ケーブルの表面に溜まった埃を雑巾で拭き取ったり、静電気が原因で真っ黒になっていた壁の電源コンセントをきれいに拭いたり、使っていないのに残されていたケーブルを撤去したり、ケーブルの配置を見直してスッキリさせたりと、いろいろと付随的作業が発生した。

というと正しくない。自分の意志で「ついでだからやっちゃおう」と思ったのだから、「付随的作業も断行した」という方が実情に近い。当然ながら時間も手間も大幅に増えたけれど、結果としてメカと配線の棚卸しをやったような格好になって、終わってみれば実に気持ちが良かった。

この「棚卸しでスッキリ」というのがミソ。スーパーの売り場ではないのだから、何もないのに定期的に「じゃあ、この辺で棚卸ししてスッキリさせようか」とはいかないのが普通。でも、メカの故障とか引っ越しとか部屋の模様替えとか、とにかく何かトリガーがあると、棚卸しに踏み切る動機ができる。

物理的な話だけではなくて、仕事の内容や仕事の進め方なんかも、同じかも知れない。惰性というと言葉が悪いけれども、普段はルーティン化して、決まったやり方で同じように進めていることが少なくない。

でも、何かトリガーがあって見直しをかけた結果として、「めしのたね」の陣容が変わったり、仕事の進め方・さばき方が変わったり、ということはあってもおかしくなさそう。その結果としてプラスの影響があれば、結果オーライ。


たまたま「棚卸し」という言葉を使ったけれども、要は何をいいたいのかというと、前動続行ばかりではダメ… というと言葉がきついか。前動続行ばかりではなくて、ときには「変えてみる」ことも必要なんじゃないかなあ、ということ。

IT 業界の金言みたいに「問題なく動いているものはいじらない」というのもひとつの見識ではあるけれど、果たしてそれだけでいいのか。変えてみて上手くいかなかったときに元に戻せるようにする、という程度のリスク管理はあった方がいいだろうけれど、「変えてみる勇気」が必要になることもあるんじゃないかなあと。

自分が「変える」「変わる」だけではなくて、まわりの人に変化が起きることだって、当然ながらある。そこで「あの人は変わってしまった」と非難するのは勝手な言い分というもの。

ちょうど、手元の IDR で取り上げている某国では「装備の陳腐化が進んでいる。予算を増やして手を打たないと」という話が出ている。ところがその某国の場合、予算以前の問題が多すぎるので、まずそっちを解決しないと、予算を増やしても問題解決にならないと思う。となると「従来の流儀を変えないと」という話になる。

そんなこともあるから、事情はどうあれ、「変える」とか「変わる」とかいう状況から逃げてはいけないし、ときには意図的にそういう状況を起こすことも必要なのではないかなあ… という話を再認識したところで、今回はこの辺で。

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