Opinion : 鉄道車両において "出す話" に関する徒然 (2014/10/27)
 

たまたま B 寝台の空きがとれたので、急遽、「北斗星」に乗ってきた。

まだ具体的な廃止のアナウンスは出ていないものの、「トワイライト」の廃止が決まっている上に、青函トンネルを通過する際の牽引機の問題を考えると、他の青函夜行が同じ運命をたどらない保障はない。

それなら、大騒ぎになる前に乗っておこうというわけ。すでに週末の指定券は取りにくくなっているから、この先、もっと大変なことになるかも知れない。


その「北斗星」、往々にして「豪華寝台列車」という枕詞が付く。ただ、現物を見たり実際に乗ったりしてみると、さすがに車輌の傷みは隠しきれない。それでも、個室寝台車はまだそれなりに手が入っているからマシで、開放 B 寝台は特に傷みが目につく。

それは致し方ないのだけれど、真っ先に「傷み」や「古さ」を感じる部分がどこかというと、個人的には外見や寝台まわりよりも先に「水回り」が来る。つまりトイレ・洗面所といったあたり。

「北斗星」の場合、車内のレイアウトをごっそり改造した車輌と、レイアウトは変えずに化粧板やモケットの交換程度で済ませた車輌がある。さすがに洗面所の自動水栓化は行き渡っていたものの (その点では「あけぼの」用よりマシである)、それでも清潔感という点ではいまひとつ。

さすがに「カシオペア」あたりになると、比較的最近になってから新造しているからレベルが違うし、あれなら「豪華寝台列車」といってもまったく嘘偽りはない。ただ、「北斗星」の場合、どの車両を引き当てるかによって、乗った人が受ける印象にはかなり格差があるだろうなあと思った。

「北斗星」でもこの調子だから、他の在来線車輌、とりわけ国鉄から承継した車輌の水回りになると、もう 1960 年代にタイムスリップしたみたい、ということが少なくない。今回「なくなる前、かつ騒ぎになる前に押さえておこう」といって乗ってきた 711 系もしかり。

特に行程 2 日目に乗った S-110 編成は「国鉄色」の「非冷房」だから、もう気分は 1970 年代である。ハナからそのつもりで、昔の感覚・雰囲気を味わうために乗るのなら話は別だけれども、これを日常的に利用する立場になったらどうだろう、と思った次第。


しばらく前に「新幹線 EX」で「食べる話と出す話」について書いた。食べれば出るのは当然の話なので、この両者は必然的にワンセットになる。ただ、その「出る」部分の話についていえば、鉄道業界は高速バスや飛行機と比べて立ち後れ感があるのではないかなあ、とは以前から感じていたところ。

もちろん、最近になって新製した車両、とりわけ新幹線電車なら問題はないのだけれど、在来線の旧い車両は特に「いかがなものかと」。座席のリニューアルやモケット貼り替えもいいけれど、水回りのグレードを上げることと、その上げた水準を維持することは、利用者、特に女性にソッポを向かれないようにする意味で重要ではなかろうか、と思う。

もちろん、汚れやすい上に清掃・手入れが大変なのは分かるけれども、それは鉄道に限らずどんな分野でも同じこと。それをなんとかクリアできないものだろうか、と。実は、きれいにしていればきれいに使ってもらえる、という部分もあるんじゃないかと思うし。

そんな事情もあってか、実は自分の場合、列車で旅行する際に「どこのトイレなら気持ちよく使えるか」ということを意識して、それを行程に組み込むことすらある。特に各駅停車で長距離移動するときはそう。

もちろん、生身の人間の身体が関わる問題だから、すべて事前の計算通りにコトが運ぶとは限らないけれど、それでも何も考えない行き当たりばったりよりはいい。気持ちよく移動や旅行を楽しむ裏の、ちょっとした工夫。

自分以外にも、同じようなことを考えて実践している人、実は案外といるのかも知れない。それならなおのこと、そういう「声なき声」には注意を払ってみてもいいのではないかなあ、と。そんなことを思ったところで、今回はこの辺で。

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