Opinion : ネガティブ マジックワード (2014/11/10)
 

以前に書いた話と被る部分があるけれども、特定のキーワードが出てくると途端に憎悪の感情がムクムクと頭をもたげるのか、「叩かずにはいられない」「こき下ろさずにはいられない」という思いに突き動かされる人がいる。

これが、普段から自分の周囲のこと、あるいは世の中のことに対して手当たり次第に当たり散らしていて、朝から晩までブツブツ文句をいっているような人なら「ああまたか」で済む。Twitter なんか見てると、そんな人がチョイチョイいるような…

ところが、普段は極々まっとうな言動をしている人なのに、特定のキーワードが出現すると「スイッチが入って」、いきなり過激な言動に走る人もいる。実はこっちの方が危険じゃないかと思う。


そんなマジックワードの典型例が、昨今だと「中国」や「韓国」じゃないかと。

とみに最近、両国の「おいた」が目立つのは事実で、日本の国民感情からすればネガティブな方向に行ってしまうのも無理からぬところ。どこの国にも共通することだけれど、自国が勢いづいているというときに国民レベルで調子に乗ってしまい、それがまた火に油を注ぐこともあるし。

あと、これまでマスコミ報道などで「中国・韓国の言い分が正しい、それに従わない奴は怪しからん」的な報道が幅をきかせていたことに対する反発が、いささか利息を付けすぎた形で出ている一面もあると思う。

だからといって、何をやっても許されるということはないし、反発する際にこちら側が悪者になるようなことをすれば、後できっと跳ね返りが来る。「妥協も譲歩も一切認めず、強気一点張りで」と主張するどころか、はなはだしきは「戦争行為 (ないしはそれに類似する行為) に出るのも辞さない」というところまで行ってしまうのだから、なにをかいわんや。

どうせ反発するなら、「いかにして、自分が悪者にならずに、相手に悪者になってもらうか」ぐらいのところまで知恵を絞ってもらいたいところではある。でも、そんな知恵を絞る代わりに、直情的に「叩き」に出ることしか考えていないのでは、却って自分の首を絞めてしまう。「スイッチが入る」と、そこのところを忘れてしまう。

平素はまっとうなモノの考え方ができる人なのに、「スイッチが入る」と途端に見境がつかなくなる。これは、普段から見境がつかない人と比べると、予測可能性が低くなるのが危険じゃないかなあと思った。それにもちろん、見境がつかなくなった結果の言動そのものが危険な内容、というのもある。

それに「この言葉には、そんなにも人を狂わせる魔力のようなモノがあるのか…」という話にもつながる。言葉というか「存在」かも知れないけれど。

これが「ニコ爺 vs キャノネッツ」とか「巨人ファン vs アンチ巨人」とかいうぐらいなら、笑って見ていられるのだけれどねえ…


いつも書いているように、「憎悪の感情」と付き合うのは難しい。「○○が嫌い」「○○を叩きたい」という感情に囚われると、「叩くためなら何でもあり」「叩かないという選択肢は認めない」になってしまうのは、よくある話。

でも、そういうのって「心のゆとりがない」。そもそも、ゆとりがないから見境がつかない言動に走ってしまうのか。そして、そういう感情にあっさり乗せられると、ゆくゆくは自分で自分を壊す結果になるだけだと思う。特定のキーワードに関連して「嫌い」「叩きたい」という感情が芽生えているのを自覚したら、意識的にそこから遠ざかる工夫も必要ではなかろうか。

よくよく考えてみると、「特定のキーワードが出てくるとスイッチが入る」のは、何も個人に限った話ではなさそう。報道機関でも国家首脳でも、はたまた企業の経営者でも、特定のキーワードに遭遇すると「スイッチが入って」判断を誤るのは、案外とよくありそうな話。

そして、その根底にあるのはたいてい、「嫌悪」や「憎悪」の感情だったりするのではないか。ほんと、この手の感情と付き合うのは難しい。

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