Opinion : 非実在小学四年生に関する徒然 (2014/11/24)
 

マスコミの定番ネタで、「子供が大人並みのことをやっていて、すごーい」というのがある。

たとえば「高校生が会社を経営している」とかいうあたりが典型例。そういえば、最近はトンと話題になっていないようだけれども、「反原発アイドル」なんていうのもいたような。今はどこで何してるんだろう ?

この手の話が話題になる理由のひとつは、「珍しいから」であろう。どこにでもある、当たり前のことだったらニュースにならない。「四十代・男性の軍事評論家」では珍しさ皆無だけれども、もしもこれが「17 歳の女子高生軍事評論家」だったら話は別である。そういう人が実在するかどうかは知らないけど (多分いない)。

となると。対象が何であれ、それに真剣に取り組んでいるのであれば、注意しないといけない。物珍しさ故にマスコミで取り上げられてチヤホヤされれば、本人もついつい調子に乗ってしまうかも知れないから。当事者が「ウケ狙い」でやっているなら、それはもう自業自得だから知ったことではないけれど。

そこで調子に乗って浮かれてしまえば、墓穴を掘る原因になりかねない。歳を食って人生経験を積み重ねた人と比べると、人生経験に乏しい若い人の方が、ついつい乗せられて、おだてられて、調子に乗ってしまうリスクは大きいと思う。ひょっとすると「天才少年、大人になったらただの人」なんてことになる一因は、その辺にあるのかも知れない。


といったところで、三連休の間にネット界を賑わした「非実在小学校四年生」の話。詳しい話はリンク先の記事を見ていただくとして。

強気から一転、謝罪へ 炎上していたサイト「どうして解散するんですか?」が正体を告白 自称“小学 4 年生”は NPO 法人代表 (ねとらぼ)

「意識の高い高校生や大学生が政治に目覚めて、世の中を変えようと立ち上がった」という構図は、冒頭に書いたような事情があるから、注目されやすい。今回はマスコミがゾロゾロ取材にやって来ることはなかったようだけれど、代わりに (?)「民主くん」がやってきた。

なんにしても、「すごいですねえ〜 頑張ってください〜」とかなんとかいって持ち上げるのはありそうな話。でも、「主義主張に共感したから持ち上げているのか」それとも「物珍しいから持ち上げているのか」。そこのところの見極めが大事。そこのところを読み違えて調子に乗っていなかったか。そのことが、今回みたいな騒ぎを起こす遠因になっていなかったか。

そもそも、本気で世の中を変えるつもりなら、もうちょっとマシなアプローチがあったのではないか ? との思いを禁じ得ないし、そこで子供に偽装したあたりも稚拙きわまりない。

過去の経験則からいって、ネット上で「投票モノ」をやればオモチャにされるのは通例といっていい。その典型例が「ライブドアベースボールの球団名募集」。そんな状況だから、「意識高い系の小学生が政治系サイトを立ち上げた」なんてことになれば、注目されて、いろいろほじくり出されるのは自明の理。

それを知らずにやったのなら、甘いといわざるを得ない。「こういうことをやったら、どういうリアクションが考えられるか。それに対してどう対処するか」という読み、リスク管理という考えが欠けていた。そういうところは、なるほどお子様である。


そこで、誰か大人の後見役というかアドバイザーというか、そういうポジションの人が付いていれば、「ちょっと待て」とブレーキをかけて、軌道修正させる役割を担えたかも知れない。もっとも、当事者が浮かれて天狗になってしまっていると、ブレーキをかけようとしても話を聞かなかったかも知れないけれど、それはそれ。

ただ、そういう大人ばかりが周囲にいるとは限らない。ひょっとすると、「話題になっている若者をダシに使ってやろう」とか「うまいこと鉄砲玉として利用して、後は使い捨てにすればよろし」なんてことを考えている大人が寄ってくるかも知れない。

その辺の本音、真の狙いを見極める眼力も必要なのだけれど、それは若いうちはなかなか難しい。ましてや、本人が浮かれて調子に乗ってしまっていると、近付いてくる人がみんな味方に見えてしまっても不思議はない。

今回の「非実在小学校四年生」の件では、最後になって「多くの人が社会のことや政治のことを考えていることに少しホッとしました」なんて書いているのを見ると、「謝罪といいつつも自己正当化しているし、自己の行為に浮かれていると思われても仕方ないんじゃないの ?」と思わざるを得ない。

だいたい、総選挙の意義について語るのに、自分の年齢やポジションを詐称する必要があったのか ? 目的は手段を正当化しない。

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