Opinion : 広報イベント考 (2015/10/26)
 

最初は別のネタで行こうかと思ったけれど、それはもうちょっと "練った" 方がいいように思えたので後回しにして、この週末に関わる話題を軽く。

何の話かといえば、前代未聞かどうかは知らないけれど、百里・岐阜・築城の基地祭同時開催。真偽の程は不明ながら、人が集中しないように分散化を図る目的で同時多発開催にしたのではないかとの説がある。

確かにそれは名案。そもそも以前にも書いたように、最近のミリタリー系イベントの人の集まり方は、昔を知る者にとっては「なんかおかしい」レベルに達している。


やたらと人が集まる自衛隊イベントというと、入間がある。首都圏にあるし、さほど遠くないし、交通の便はいいし、日取り… じゃなくてお日柄… じゃなくて日程もいいところにある。これでは人が集まるのも当然。

実際、自分も入間の人の多さには辟易している部分がある。ただし入間の場合、駅から近いから電車で行ける (= 渋滞の心配が要らない) という利点があるので、混んでもそれなりに諦めがつく。それに、中の人がいろいろと分散化の工夫をしているのを知っているし。

昨年の入間で惜しかったのは、ブルーインパルスと犬の時間帯が近すぎたこと。だからブルーを観てから犬を観に行こうとすると時間切れになってしまう。今年は適度なインターバルを空けてくれているといいなあ。

で。海外のエアショーだと有料観覧席を設けている事例がままある。日本でもそれをやれば、場所取りのための徹夜・早起き・ダッシュなどを抑制する役に立つのではないか… と思ったけれど、これはこれでいろいろと問題がある。

国の機関がやるイベントで有料観覧席の上がりが発生したら、それをどう使えばいいんだという問題もあるし、その有料観覧席のチケットをどうやって売るかという問題もある。(ネット販売にすれば、これまた早撃ち競争が発生するのは目に見えている)

そして、例によって例のごとくの転売対策といった問題もある。先日に blog で「マイナンバーで個人確認して転売できないようにしたら」と書いたけれど、それを円滑に実現する仕組みを作るのは、ちと手間がかかる。

そんなこんなの話を考慮すると、比較的少ない手間とリスクで「どうにかする」には、今回みたいな同時多発開催というのは、なかなか良い手ではないかと思った。取材して記事を載せる側からすると、それだけ人手が多く要るし、誌面も集中的に多く使うことになるから、いいことばかりではないけれど。

あと、目玉になるようなものはできるだけ地方の基地に持っていけば、それだけ人が動くだろうから経済活性化に貢献するんじゃないか、なんてことも考えたけれど、実際にいかほどのインパクトがあるかというと、大したことはないかも。


そういえば、鉄道系のイベントだと最近は「事前抽選制」というところが出てきているけれど、これは「できる場合」と「できない場合」がありそう。要するに観艦式や総火演と同じことになっちゃうわけで。

多分、「これ一発で大混雑を軽減できる」なんていう銀の弾丸はないのだけれど、従来と同じ手法や考え方でやっていたら収拾がつかなくなりそうだし、何か考えないとまずいんじゃないかという懸念はある。

それでイベントが混乱すれば、来訪者の間に不満が溜まって、広報効果にも影響が及びかねないわけだし。

そういえば。広報効果という話になると、人が集まりやすい目立つ場所・目立つ組織ばかり露出するのではなくて、普段はなかなか陽が当たらない (というと中の人に申し訳ないけれど) 部署や組織や人にスポットを当ててみるようなイベントなら、もっと積極的にやってもいいんじゃないかと思う。

イベントじゃなくて取材でも、やはり「取材が殺到しやすいもの」と「そうでないもの」があるし、後者に取材に行って喜ばれた経験は一度ならずある。

どんな組織でも、陽の当たる部門や組織だけで成り立って、動いているわけではないのだから、地味なところにもスポットを当てて、モチベーションが上がるような施策を講じていかないと。そうしないと、そのうち有為の人材が集まらなくなって、組織が回っていかなくなるんじゃなかろうか。

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