Opinion : 「はまなす」に乗ってきての徒然 (2016/1/18)
 

17 日に仙台、18 日に札幌を訪れて、両者の間を移動するため、17 日の晩に下り「はまなす」に乗ってきた。すでに「いかにも」な人がたくさんいたけれど、みんな外側の写真を先に撮っていて、車内は後回しになっている様子だったのが面白い。

意外だったのは、普通車指定席に外国人の利用者が何人もいたこと。どこでこの列車の存在を知ったんだろう。もうひとつ意外だったのは、自分以外に「函館バルブ」をやってる人を見かけなかったこと。まぁ、それはそれとして。

この「はまなす」も、先週に書いた「旅情がなくなる」論で引き合いに出されることが多い列車のように見受けられる。しかしなあ。


以前から、沿線で「はまなす」の走り撮影は何度もやっている。撮った写真を RAW 現像するときに、「えらくカラーノイズが多いなあ」と思ったら、それはカラーノイズではなくて、車体の傷みや汚れだった、なんてこともある。

そして、乗車ついでに実車を間近で見てみると、はっきりいって車体はボロボロである。廃止が間近だから、いまさら手のかかる修繕や延命工事はしていないということなのだろうけれど。

それに、中に入って接客設備を見てみても、やはり基本的には 1970 年代… が言い過ぎなら、1980 年代の水準のまま。それが「旅情がある」という人もいるだろうけれど、普通の旅行者にしてみれば、いまどきの水準を満たしているとは思われまい。

といって、客車も機関車も代替新造して青函トンネル経由・青森までの運行形態を維持するのは、かかる費用の割にはゲインがない。もちろん、それを喜ぶ層もいるだろうけれど、ひとつの列車の定期運行を維持できるほどの市場性があるかどうか。現状は、使い古しの客車と機関車だから経費が抑えられて成り立っている一面もあるだろうし。

ただし気になるのは、現在は「はまなす」と朝一番の新幹線をつなぐルートが使えるけれど、北海道新幹線が開業すると、それができなくなること。新幹線は 0600 にならないと動かせないから、夜行バスで函館に出るか、朝に札幌を発って到着時刻の繰り下がりを甘受するか、ということになってしまう。

夜行ではなく早朝始発だけど、富山から大阪に出るケースでも同じ問題が起きている。新幹線開業により「サンダーバード」が金沢止めになってしまったせいで。

そこでふっと考えたのが「ミッドナイト復活」。いつだったか忘れたけれど、快速「ミッドナイト」に札幌から函館まで乗ったことがある。要するに、上で書いた「夜行バスで函館に出る」案の代わりである。

ところが、使う車両をどうするかという問題がある。毎日定期運行するとなると、最低 3 編成 (予備車含む) は用意しないといけない。それが夜行専用で、昼間は寝ている車両ということになると、どうみても経済的に引き合わない。

比較的費用をかけずに実現できそうなのは、261 系の投入で浮いた 183 系の転用。ただし、「ミッドナイト」みたいにドリームカーやカーペットカーに改造すると夜行専用になってつぶしがきかないから、昼間用のままで。

でも、そもそも古くなって代替が必要だから 261 系を新造するわけで、それを使い続ければ、これまた老朽化の問題がついて回る。内装はきれいに維持しているものの、すでに NN183 あたりでも車体外板の傷みはけっこうなものがある。となるとやはり、エンジンを換装している NN183 は別として、古い初期車は早いところ淘汰したいのではなかろうか。

そんなら 261 系でやれば… という考えもあるけれど、そんな余裕ができるほど車両数に余裕があるかどうかは疑問。需要がどれだけ見込めるかと考えると、夜行分まで増備するのはリスクがでかいし。


となると現実的な落としどころは、JR 北海道バスで札幌-函館間の夜行便を設定して新幹線と相互接続をとって、両者を通しで利用できる企画商品を売り出す。ってところなのかも知れない。

だいたい、「札幌-函館間の夜行快速」なんていうのは前例があったぐらいだから、わざわざ部外者の自分がここで書かなくても、中の人が同じことを考えて検討していたって不思議はない。そしてそれが実現していないのは、相応の理由があったということだろうし。

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