Opinion : テロリストは裏をかく (2016/5/30)
 

伊勢志摩サミットが終わり、駅のゴミ箱が普通に使えるようになった。だからというわけではないけれど、外出時に駅のホームで飲み物に手が出た。封鎖されてたら手は出ず、帰宅するまで我慢してたかも知れない。

以前にも、駅のホームどころか新幹線の車内にあるゴミ箱までが、「テロ対策」で封鎖されたことがあった。あれもけっこう不便ではあった。


確かに、ゴミ箱というのは爆発物を仕掛けるには都合がいい場所。誰も中身に注意しないし、誰かがモノを放り込んでいても「普通のこと」だから人目をひかない。それでいて、多くの人が集まる場所に設置されていることが多いから、それが爆発すれば被害甚大。

だからゴミ箱を封鎖するのは (もちろん、不便だなあとは思うけれども) 理解はできる。短期間のことだから、まぁ我慢はできるし。

あと、駅の構内などに警察官が立っていたり、見回っていたりという場面もしばしば見かけた。実際に何かまずいことを発見するかどうかという話もさることながら、抑止効果という意味もあるんだろうと思う。休み返上で駆り出されたんだろうなぁ。おつかれさまです。

ただ、本気でどこかのテロリストが攻撃を仕掛けようとすれば、ゴミ箱封鎖、あるいは警備巡回などといった対策に真正面から立ち向かわないで、別の手で、裏をかこうとするんじゃないかしらん。

そもそも、テロリストは正規軍じゃないのだから、相手が護りを固めている現場に真正面から突撃かますことはしないと思う。むしろ「まさか」というところを突いてくるのではないかと。

ただ、一般市民に恐怖を与えるという示威効果の観点からすると、人目をひく大イベントを狙うという考え方にも理はある。大して人が集まっていないイベント、誰も存在を知らないようなイベントを狙っても、示威効果は相対的に薄い。

だから「示威効果」と「裏をかく」の二点を両立させられるような、そんなターゲットを選んでくるのではないか、という考えに行き着く。すると何が問題か。

警備する側はおそらく、過去の事例などを参考にして「狙われそうな場所・人・モノ」を警備するのだろうけれど、問題はそこ。過去の事例から前動続行になって、「前回と同じ手を打てばよろしい」となったらまずいんじゃないの、なんてことを思った。

分かりやすいところだと。警備で巡回するのに、いつも同じタイミングで同じルートを回っていたら、間隙を突くのは容易になる。タイミングを故意に変えたり、ルートをランダムにしたりする方が、警備の間隙を突くのは難しくなる。

テロ対策と比べちゃイカンかも知れないけれど、ネズミ取りや駐禁の取り締まりにしても、いつも同じ場所で同じ時間帯にやっていたら、ばれて警戒される。固定設置の不動産で動かしようがない、オービスや H システムなんかは仕方ないけど :-p

もっとも、オービスや H システムは実効性より抑止効果が狙いなのかも知れない。特に後者は、100m 以上離れたところから存在が分かるんだから。ハンペンが付いてない LH だって、よく見ていれば分かる。

警備の対象にしても同じことで、いつも同じところだけ同じような手を打っていて、それで大丈夫なのか。そこが気になる。


そういえば、サミットがらみで「オバマ大統領の車の向こう側に闖入した猫」が話題になっていた。あれを見て「地雷犬」ならぬ「地雷猫」を考え出すテロリストが、ひょっとするといる… かもしれない… かどうかは自信がない。だいたい、犬や猫の背中に爆薬を背負わせれば、すぐ「怪しい」と分かる。

ただ、「事故や災害は意地悪婆さんみたいなもので、対策の穴を突くように被害を起こす」のと同じデンで、「テロリストも対策の裏をかいてくるものだ」と思っておかないと。

手近なところで地下鉄サリン事件を見れば、テロリストがときとして、想定の範囲外だったことをやってくるのはよく分かる。海の向こうの「9.11」を引き合いに出すのも分かりやすいが、手近なところにも実例はある。

そうなると、警備体制の前動続行は避けるべきもの。まず自分がテロリストになったつもりで「自分だったらどこを攻撃するか、何で攻撃するか」と考えないと。

果たして、誰もが狙われそうだと思っているような場所が本当に狙われるのか。実は違うんじゃないかと思えてならない。何か思いついても、ヒントを与えることになりかねないから書かないけど。

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