Opinion : カタカナ語にすると格好良く見える… んか ? (2016/12/12)
 

先日、Twitter でこんなことを書いた

鳥の名前がついた飛行機、魚の名前がついたフネ、っていろいろあるわけだけど、横文字で見ている分にはなんとも思わなくても、日本語にした途端にズルッ。ってありそうな話

カタカナ表記のままにするのと、日本語に訳すのとでガラッと印象が変わるのは、なにも飛行機や軍艦の名前に限ったことではなさそう。いいかえれば、カタカナ語で書くと格好良さそうに見えることがある、というのが今回のお題。


何をいいたいのかというと、突如としてお騒がせな話題になった「キュレーション メディア」の話。自分はこの手の媒体をトンと見ないので、よく知らなかったけれど。

そもそも「キュレーション」と書かれると、なにやら目新しくて格好いい感じがする。でも、やっていることをそのまま日本語化すると「既存のネタを拾って来るまとめサイト」である。

そう書くと「2 ちゃんねるのまとめサイト」みたいなイメージになってくるけれども、「キュレーション メディア」と書くと、なにやら格好良くてイケてる目新しい媒体に見えてくる。カタカナ語の魔力である。

本来のキュレーションとは、既存の情報を体系立てて抽出・整理するという意味になるらしいけれど、いわゆる「まとめサイト」に「体系立てて」はなさそう。PV 稼ぎのために SEO には注力することはしていても。

なにも「キュレーション」に限らず、前に瞬間的に (?) 話題になった「バイラル メディア」もしかり。ことにネットビジネス、ネットメディアの世界では、この手の「目新しいカタカナ語」を出しては捨て、出しては捨て、する傾向がある。

いや、メディアに限らずテクノロジーについても似たようなものか。そして、IT 業界は防衛産業界と並んで、カタカナ語と頭文字略語が氾濫している業界。たまたま自分は、その両方を渡り歩いてきていることになる。

正直な話、防衛産業界についても「capability ぐらい日本語にしたら ?」と思う。それで意味はちゃんと通るのだし。それに、カタカナで書くと 7 文字のところ、漢字にすれば 2 文字で済むのだから、それだけ文字数の制限がきつい場合に助かる (そこか)。

ただ、辞書的な意味でそのまま日本語にすると「どうも意味が正確に伝わらない」と思う単語は、確かにある。個人的には、その筆頭は integration。仕方ないから、これはカタカナで書いている。

ミッション システムだけの話ならともかく、機体と兵装が対象になると、やっている作業の幅が広いので「統合化」では通りが悪いような気がする次第。


なんでもかんでも訳すべきだ… と、台湾版 Windows みたいなことになってもどうかと思うし、かといってカタカナ語にして万事解決でもない。場合によって、訳す方が適切かどうか、訳して意味が通るかどうか (訳語は適切か) ということをいちいち考えないと。

ただ、そういう風に利害得失を考えた上でカタカナ語にするのならともかく、カタカナ語にする方が「格好良さそうで」「イケてそうで」「目新しそうで」「真の姿を隠蔽できる」という理由だったら、それはダメでしょ。

ことにネット業界・IT 業界は、馴染みの薄いカタカナ語を続発させる傾向があるから、なおさら。それをいいたかった。

ちなみに、「今週の軍事関連ニュース」で横文字表記が氾濫しているのは、「カタカナ表記にすると表記がぶれて検索性を落とす可能性があるので、それは避けたい」という理由による。見栄や見てくれの問題ではない。

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