Opinion : 正しい教え手とは ? (2017/4/3)
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先日、自分の身辺 (の、そのまた一部) で、学校の授業で銃剣道を取り入れる件に関する意見が飛び交っていた。自衛隊ならともかく、民間ではまず用のない代物だから、そもそも指導できる人がどれだけいるのか、と気になってしまった。
それだけではなくて、指導できたとしても、安全な指導ができるのかという問題もある。やってみたはいいけど、怪我人続出… では困るのである。
さらに別件で、栃木県で雪崩に巻き込まれた高校生が亡くなる事故があったとのニュースが。なんとも痛ましい事故だけれど、そこでも「安全面に対する配慮は、どれだけなされていたのか」が気になった。
「過去に事故が起きたことがなかったから」というだけでは、「今後も安全」ということにはならない。同じ「事故が起きたことがない」でも、運が良かっただけなのと、しかるべき工夫や努力を払った結果とでは、まるで違う。
もちろん、新幹線が高い安全記録を保持しているのは後者である。それは神話によるものでも何でもなく、現場の工夫と努力の賜物なんである。
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銃剣道にしても雪山にしても、「経験がある」と「正しい知識がある」と「正しい、安全な教え方を知っている」はイコールではない。
スキー検定の世界を見てみれば、よくわかる。1 級の上で枝分かれして、技術を極める系のプライズテストと、指導員が別々にある。
テクニカルプライズやクラウンプライズを持ってるような人の滑りは、確かに見ていて惚れ惚れする (レベルが違いすぎて、お手本にならないけど… これはもちろん褒め言葉)。
これがナショナル デモンストレーターとかいうクラスの人になると、横滑りひとつでも打ちのめされるぐらいの差を感じる。ウソじゃなくて本当。うまい人の横滑りはとてつもなくうまい。
ただ、滑るのが上手いということと、教えるのが上手いということは別の問題。中には、滑るのは上手いけど教えるのは下手、という人がいてもおかしくない。もちろん、滑るのが上手いのは努力の結果だから、それは正当に評価すべきだけど。
当然、滑るのがうまくて教えるのもうまい、という人だっている。滑るのは下手だが教えるのはうまい… は矛盾があると思われるので、いないか。
そういえば。スキーというと世間的には「骨を折る」というイメージがあるらしい。でも、自分はこれまで一度も怪我らしい怪我をしたことがない。初っ端から「止め方」を仕込まれたし、その後も「ちゃんと止まれないと駄目、安全第一」と厳しくいわれたおかげか。暴走してヒヤッとした経験が、まったくない訳じゃないけど。
で。冒頭で取り上げた銃剣道にしても冬山にしても、何かあれば怪我ぐらいはするし、特に冬山だと、あっという間に生命に関わる事態になる。指導する側はそのことをちゃんと分かった上で、どうすれば危険を避けられるかを教えられないとまずい。
プログラムミング教育だったら、教え方が悪くてもせいぜい「プログラミング嫌い」を量産する程度で、怪我人や死人は出ない。でも、スポーツや野外活動では話が違うんである。
だから、特定の学校でだけというならまだしも、すべての (または大半の) 学校で何かを新たにやろうということになったら、どうするか。その「何か」を単に経験しているだけでなく、正しい指導法、正しい危険回避を知っている人材を揃えないと、まずいんじゃないの。
ここまで書いたところで気付いたけれど、これって「鉄道写真撮影」「飛行機写真撮影」でも一緒だ。いかにして安全に、社会の迷惑にならないようにしつつ楽しむか。それって V 写真を撮ることよりも大事だよ ?
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