Opinion : 愛称の押し売りと滑る愛称 (2017/11/27)
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新聞・テレビが鉄道車両や飛行機などについて「○○という愛称で親しまれた△△がほげほげ」というテンプレに固執してニュースを構成する件には、まことに違和感を感じる。
特に TEC 300 系が引退した頃からだろうか、「それってそんなに人口に膾炙していたっけか ?」という「愛称」を強引にねじ込むあたりから、無理してるなあと思う場面が増えてきたように思える。
さて、TEC 700 系が引退するときには、どんな「愛称」がでっち上げられるんだろうか。
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鉄道車両や飛行機に限った話ではないけれど、定着している愛称というのは、たいていの場合、自然発生的なもの。中には、どちらかというと揶揄しているようなニュアンスのものもあるけれど、そこはそれ、「揶揄しているようで愛がある」というやつである (たぶん)。
逆に、一方的に決めて上意下達的にやると、往々にして滑る。
定着していない例というと、「ETC = イーテック」とか「E 電」とか、最近だと「東京さくらトラム」とかいった例がある。「E 電」は、部内だと使われているらしいけれど。
ネット投票のときに自分は「東京さくらトラム」に一票を投じた人だけれど、その理由は簡単で「他の候補がもっとヒドかったから」である。あれっ、なんかこれって都知事選で繰り返されている構図のような…
閑話休題。最初から結論を決めて発表するにしろ、候補を絞り込んで投票させるにしろ、そこには先に「『愛称』をつけてやろう」という意志があって、「愛称」が後からついてくる。その辺に、定着しない一因があるように思える。
さて。そうなると、最近になってとみに妙ちきりんな名前が増えている、各地の空港の名前。あれはなんなんだろう。
「とかち帯広空港」はいい。十勝地域の窓口なんだから (なんで平仮名なんだ、というのはともかく)。でも、あえて名指しするけれど、山形、富山、徳島、鳥取、出雲あたりになると、「本当にその名前で良かったの ?」と疑問に思えてくる。種子島も、ちょっと微妙。
それと比べると、釧路、宮崎、沖永良部あたりは、まだ違和感が少ない。特徴を出そう、地域性をアピールしよう、との意気込みがホドホドだといいけど、それが出過ぎると滑ってしまう。そんな微妙な閾値があるように思える。
そして「愛称募集中」の岡山。すでに結論は内定していて、体裁を整えるために募集して見せたんじゃないの ? という指摘があったけれど、真相は知らない。でも、岡山だから「桃ほげほげ」になるではないのかなあ。
鉄道路線にしても、あまり妙な「愛称」をつけると、違和感ありありになる。列車愛称も、ときには滑ったり、物議を醸したりする。
陸上自衛隊の装備に名前をつけたときも盛大に滑ったけれど、あれの主要な敗因は「片仮名」にしたことではあるまいか。全部漢字にして重々しくやったら、意外と定着したかも知れない。
面白いもので、おカネが動いてネーミングライツで企業名や商品名がつくと、却って違和感がない。最初から「そういうものだ」と分かっているから、だろうか。ネーミングライツの場合、契約期限が切れたらまた別の名前に変わる「時限モノ」だから、というのもありそう。
こういうのって、個人の感覚・受け止め方に依存する部分もあるので、ここまで書いてきたことはあくまで、個人的な見解の範囲内。人によって、おそらく意見はバラバラである。
かように名付けというのは難しいものだけれども、それだけに、あまり妙なこと、いい加減なこと、一時の流行に乗るようなことはしてもらいたくないのである。ことに公共性が高い施設の場合には。
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