Opinion : ケーブルカーを乗りつぶしていたら思ったこと (2018/7/23)
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今週はヒマネタで。
JR 線・民鉄線の全線制覇を企てたとき、ケーブルカーとロープウェイは対象から外した。でも、トロリーバスは対象に含めた。
これだけだと「自前の動力で走るヴィークルが対象」ということになるので、一応は一貫性がある。ところが、実際には瀬野のスカイレールも対象に含めたので、基準を決めた当の本人が、その基準について一貫性のある説明をできない状態になっている。
そんなこんなの事情もあり、「一応、鉄のレールの上を走るわけだから、ケーブルカーもやるか」と心を入れ替えた。いったん腹が決まると、相手がそう多くないこともあり、あれこれ機会を見つけてはどんどん乗っている。
で。あちこちの鋼索線を訪れてみて感じたことがある。ひとことでいうと「昭和のまんま」のところが多い。もとい、大半がそれだといっても過言ではなさそう。
もちろん、車両だけは新しくなっているところは少なくない。昨日乗ってきた大山ケーブルもそれ。逆に、黒部のもぐらケーブルみたいに「この車両、開業時から変わっていないんじゃないの」というところもある。
その車両はともかく、駅施設が古色蒼然というか、昔のまんまというか、そういう雰囲気のところが多いなあと。建て替えまでしなくても、多少のリノベーションでも雰囲気は変わると思うのだけど。
もうひとつ感じるのは「アクセスが悪い」。そもそも、普通の鉄道や徒歩では辛い急な上りを一気に乗り切るのがケーブルカーだから、もともと険しい場所にある。だから、駅にたどり着くのに急坂を歩いて登るとか、階段を上るとかいう仕儀になりやすい。
しかも、山麓側の駅が既存の鉄道と直結しているケースは少なくて、近そうに見えても近くなかったりする。そして、山頂駅で降りて最寄りのバス停まで… と思ったら 10 分ぐらい歩く羽目になったりもする。
つまり「鋼索線の乗りつぶしは体力勝負」。やるなら若いうちにやっておく方がいい。歳を食ってからだと苦労するから。特に、夏場になんてやるもんじゃない。(←といいつつ、やってる阿呆がここにいる)
その徒歩移動の過程で道案内が不十分で、「この道でいいのかなあ」と心配になった場面が、一度ならずあった。これは、さほどコストをかけずに改善できると思うのだけど。
駅に着いたら着いたで、乗り場に上がるのに階段しかないのは普通。こんな調子だから「バリアフリーってどこの国の話 ?」ということになる。もっとも、ホームに上がれば、どのみちそこは階段になっているのだけど (一部、例外もあるらしい)。
案内表示ぐらいならともかく、アクセスやバリアフリーの話は、改善しようとすればべらぼうな資本投下が必要になる。第一、資本を投下して改良しても、それに見合ったリターンがあるかどうかというと、怪しい。
となると「現状維持」という選択肢にならざるを得ない。そこに地震や台風といった自然災害が発生して、多額の復旧費用を要する大被害に見舞われたら、それをきっかけにして路線をまるごと廃止、なんてことになりはしないか、と心配になった。
生駒ケーブルみたいな例外があるものの、基本的には観光客頼みのところがあるし、普通の鉄道みたいな「他の地域とつながっているという心理的安心感」も希薄。となると、政治的な後押しは効きにくかろうし。
万が一のケーブル切断に備えたブレーキは強力である。そこの話をちゃんと説明する展示を山頂駅に用意していた妙見ケーブル、「なかなかやるな」と感心した。
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実際にいろいろ乗り歩いていたら、ケーブルカー業界の前途が心配になってきてしまった。そんな平成最後の夏である。
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