Opinion : 射撃管制レーダー照射事案に関する徒然 (2019/1/14)
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翌日の「サタデーステーション」で使うインタビューの録画撮りのため、先週の金曜日にテレビ朝日に行ってきた。首尾よく OA されて、ホッ。(突発的に大ニュースが割り込んでくると、予定していた話が飛ぶことがあるから)
ただし今回のお題は、いわゆる華為疑惑ではなくて、韓国海軍の射撃管制レーダー照射事件の方。事実関係については水掛け論が続いているので、技術的側面からの話以外は避けていたし、今回も基本的にはそちらの解説で。
で。この事案をめぐって、(でかい声ばかり目立つのは仕方ない部分もあるけど) 片や「撃沈」「断交」と威勢がいいかと思えば、片や「問題じゃない」「砲がこっちを向いていない」「VLS の蓋が開いていない」といった具合。
個人レベルの主張だけでなく、さまざまな媒体に載る記事も同様で、賛否両論喧々囂々侃々諤々。公開時用法が限られているところに、推測だか憶測だか妄想だか分からないような尾鰭まで混ざって、いちいち付き合っていられないレベル。
つまり、当事者に限った話ではなくて、日本国内のネット世論も水掛け論になっている (リアル世論については知らない)。ただし、でかい声、振り切れた声ほど拡散されるものだから、それが本当にマジョリティなのだと考えると、たぶん勘違いになる。
それはそれとして。
「他国なら撃沈している」なんてデタラメもいいところだけれど、「VLS の蓋が開いていないから問題ない」もムチャクチャである。この主張を展開している御仁、VLS からミサイルを撃つ場面の動画、見たことないのか。
結局のところ、ことにネット上でのバトルというのは「これを機会に、嫌いな韓国のことをぶっ叩いてやれ」vs「そうはさせじ、ここでネトウヨどもに負けてたまるか」の場外乱闘なわけで、まともに取り合うのは時間と労力の無駄でしかない。
困ったことに、どっちも極端に振れすぎて先鋭化している上に、都合の良さそうな話を見つけると、真偽のほどなんて関係なくダボハゼのように食いついて拡散する。結論先行型同士が正面衝突して、まともな議論になるはずもない。
第一、ESM の画面を YouTube に無加工でアップロードするわけにも行かないのだから、決定的な証拠が公知のモノになる可能性は低いんである。実務者レベルの協議で持ち出すならまだしも。
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そんなところに突っ込んで行っても、不愉快な思いをするだけで、得るものは何もない。だから自分は、基本的に技術的な解説しかやらない。それは今後も変わらないので、その前提でお願い致したく > マスコミ各位
今回の事案に関連して「あれっ ?」と思ったところがいくつかある。
まず、野党が大人しい。それどころか、平素は「韓国寄り」と叩かれる場面があった新聞・TV までが韓国を擁護しなくなっている。
事実関係からすればそうなるから、という解釈はできるが、本当にそうなのか。そうではなく「世間の空気を読んだ結果」ということはないのか。
もしも後者だと、危惧を覚えるところ。なぜなら、「世間の空気を読んで動く」ということは、「世間の空気」次第で、過去に展開していた「正義」をあっさりかなぐり捨てて、違う「正義」を持ち出してくる可能性につながるから。
真相がどこら辺にあるにしろ、今回の事案、ある種の「釜の蓋」を開けてしまったのかも知れない。
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