Opinion : 世代交代は必然だから (2019/1/21)
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先週は、どうにもこうにも気の滅入る話題を取り上げてしまったので、今週はヒマネタで。
小田急贔屓としてはあるまじきことに (?)、いまごろになって GSE に初乗車してきた。たまたま仕事の関係で必要になった資料写真があり、それの現場が小田原付近になったので、懸案になっていた GSE もワンセットにしてしまった次第。
これでようやく「3000 形以降の小田急ロマンスカー全形式乗車」を奪還したわけだけれど、それはそれとして。
GSE と入れ替わりに LSE が引退して、確か、もう北館林でバラされてしまっている。引退間際になれば騒々しいからということで、昨年の春にはだいぶ LSE を追いかけていた。
幼少の頃から馴染みがあって、10 年ちょっと沿線に住んでいたこともあって、今でも本籍地だけは沿線に置き去りにしているオールド小田急ファンとしては、「いかにも小田急ロマンスカー」な LSE の引退は悲しい出来事。
ただ、実際に最新鋭の GSE に乗ってみると、「2010 年代後半の特急車は、こうでなければなあ」と思ったのも事実。それは接客設備の面と、快適性の面と、どちらについてもいえること。
たまたま、自分が乗った列車は比較的スジが寝ていたようで、往路の場合、本気でぶっ飛ばしたのは新松田から先だけだった。だから、揺れや騒音の面で有利だったのは否めない。とはいえ、十分に快適であったとはいえる。
それに、床下機器を覆うカバーに NACA ダクトが付いているというだけで萌えるじゃないの ! (ちがうそうじゃない)
…おっと。ついコーフンしてしまった。
やはり、なんだかんだといっても LSE の接客設備は 1970 年代後半の思想と基準で作られているわけで。それを 2010 年代の末期まで引っ張れば、時流に合わない部分が出てくるのは仕方ない。
なにも小田急に限った話ではなくて、新幹線も同じ。500 系ですら「ひと世代前の時代の産物だなあ」と思う部分はあるから。
ここしばらくに登場した特急車は往々にして、1980 年代から 1990 年代前半にかけて登場した車両と比べると、ことに内装面での「重厚感」が薄れていると思う。でもまあ、それも含めて「時代だよね」と。その分、当節の車両の方が良くなっている部分もいろいろあるわけだし。
そういう見地からすると、むやみに国鉄型を持ち上げて、JR 世代の車両を貶す人には、どうも賛同できない部分がある。いくらアコモ改善をやっても、ベースの部分は古いのであって、できることには限度がある。
これは床下にもいえること。たとえば、メンテナンスに手間がかかる直流直巻電動機はそのまま、電動カム軸式の制御装置もそのままでは、検修現場からするとありがたくないだろうし。
だから、車両の世代交代に際してブツブツ文句をいうのは止めよう、前向きに見ていくことにしよう、と。そんなことを改めて思った。
でもでもでも、これだけはいわせて。歴代の小田急ロマンスカーの中でも、エクステリア デザインがいちばん好きなのは LSE だし、あれはひとつの完成形であったと思う。後で何が出てきたときにも、ついつい LSE と比較してしまっていたもん。
世代交代といえば。次の 3 月のダイヤ改正で、「スーパー北斗」の 281 系の運用が減る由。酷寒地で、四半世紀に渡って走りに走ってきたクルマだから、それなりに傷んでいる部分もあるだろうし、そろそろ終わりが見えてきているのかも。
この 281 系と、その次に出てきた 283 系は、内外装のセンスも走りっぷりの良さも気に入っているのだけど、だからといって永遠に走り続けるわけにはいかない。いつかは引退の日がやってくる。
土壇場になって大騒ぎしたり慌てたりしなくても済むように、乗れるときに乗って、撮れるときに撮っておかないと。
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