Opinion : 雑でインスタントな反対論者 (2019/4/15)
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302SQ の F-35A が墜落事故を起こしたら、それまで「オスプレイがー」ばかりで F-35 には大して見向きもしていなかった人達が、いきなりハッスルし始めたのには苦笑を禁じ得ない。
「欠陥商品だー」と連呼している向きもあるけれど、ひとことでいうと付け焼き刃。何年にも渡って、F-35 が抱えている不具合について解説記事を書いてきた立場からすると、「いまごろ何いってんの ?」としか思えない。
たぶん、不具合の件数だけ見ていて、その内訳まで一次ソースをあたったわけではないだろうし、F-35B の構造寿命の問題にしてもしかり。
そりゃまあ、「真横から見ると坐薬だから F-35 の導入にハンターイ !」と気勢を上げてみても、どこからも相手にはしてもらえないだろうけれど。
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面白いのは。この手の人達って、そのとき、そのときで反対する対象がトレンディなものに変わるんだけど、多くの場合、理由については「高い」か「危ない」しかいわない。そして、トレンディでないものだと見向きもしない。
これにはおそらく 2 種類の理由がある。
ひとつは「高い」や「危ない」なら一般受けしやすくて、世論を味方につけられると信じているんじゃないかということ。もうひとつは、いちいち対象ごとに相手のことを調べて反対論を組み立てるのは面倒くさいと思ってるんじゃないか、ということ。
だから結局、反対派のオピニオン リーダーみたいな人が「こうだ」といえば、その他の人はみんな右に倣えをして、同じフレーズを壊れたレコードみたいに繰り返す。そして、トレンディなものにしか目が向かないから、目立たないけど実は大問題、という案件はあっさりスルーしている。
もっとも、反対側を向いてみても、事情は似たりよったり。たとえば、防衛装備品の国産化を主張するのであれば、「有事の際の安定供給」「技術基盤の必要性」あたりがメインストリームだろうか。
でもねえ。たとえば「自前で戦闘機を作れるだけの技術基盤、生産基盤が必要」といっても、その対象分野は幅広い。その中のどの分野が大事なのか、まで問われて、スパッと明言できる人はどれぐらいいるだろう。
正しいか間違っているかは別として、「この分野だけは譲れん。その理由はこうだ」と、理由をつけて明言できるかどうか、という話。それができなければ、結局、こちら側でも「オピニオン リーダーのいうことを壊れたレコードみたいに繰り返す」という図式になる。
それに当節、有事の際の正面装備の急速増産なんてやっていない。オプテンポが上がる分だけ、スペアパーツ、燃料、弾薬、その他の消耗品の所要が増える傾向はあるにしても。
そうなれば、可動率を確保するために押さえなければならないポイントはなんだ、という話に持って行かないといけない。そこでなぜか「国内で作っていれば安心」という話に短絡してしまうところが、どうにも釈然としない。
だってそうでしょう。家内制手工業的に二階から目薬みたいな少量生産をポツンポツンとやっていたら、有事の急速生産も何もあるかいな。
誤解のないように書いておくけれど、対象が何であれ「反対」すること自体は自由である。それは何も問題ない。ただ、「反対のための反対」じゃなくて、ちゃんと対象物のことを知った上でやってよ、というだけの話。
それができていれば、トレンディな話題になった途端にダボハゼのように食らいつくとか、誰かの言い分を壊れたレコードみたいに繰り返すとか、内訳を無視して総数ばかり連呼するとか、「高い」「危ない」の連呼ばかりとかいう、スットコなことにはならないはず。
あまり「雑」な反対運動ばかりやっていると、本来なら捨て置けないはずのものもひっくるめて、一切合切、相手にされなくなるよ ?
あ、そうそう。F-35 の欠陥について声高に主張している某氏におかれましては、「貧困問題の解決にまるで役に立たずにトンズラした欠陥商品であるホワイトバンド」をプッシュした件について、ひとこと総括していただきたく。
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