Opinion : プロの道具と信頼感と (2019/8/12)
 

今回は (世間一般には) 夏休みの最中だし、ヒマネタで。

うちのカメラ履歴を見ると、初っ端は (気の迷いとしか思えない) オリンパス OM101。そこからミノルタ A マウント機に移り、さらにキヤノン EF マウント機に移ってきている。ペンタやニコンに手を出したこともあったけれど、結局、主軸は EF のまま。

扱い慣れているが故の安心感、「絶対に外せない」というところで確実に動いてくれるという信頼感、そして長く使っていて手に馴染んでいる操作性、といったあたりが、主な理由。

ただ、EOS DIGITAL 全般にいえることだけれど、頼りになる一方で面白みには欠けるかも。それもあってか、ときどき他のメーカーにも手を出してみるものの、最後は元の鞘に収まってしまう。

なんて話をしていたら「それは、お見合い結婚のようなものでは」といわれた。言い得て妙。


ただ、カメラが趣味の道具というより商売道具になってしまったので、「気難しいけど、当たると素晴らしい画を出してくれる」は許容されない。狙った被写体を確実に仕留めてくれて、多少、手荒なことになってもちゃんと動いてくれることが第一。

もちろん、派手にぶつけたり落としたりすれば、点検や修理をお願いすることになるし、実際、そういう経験も何回かしているけれど。

できあがった記事だけ見ていると分からないけれど、取材の現場って、ある意味、戦争なのである。短い時間しかとれない中で、「アレもコレも」とパッパと撮って回らないといけない。すると、狙った獲物を一発で確実に仕留めてくれることは大事。

特に大変なのが、スペースが限られるところに人が集中して、しかも撮るべきものが多い、車内・機内の撮影 (これはホント大変)。もっとも、テレビの取材は違った意味で大変そうだけど、他所の業界のことはシランガナ。

そういうところで、じっくり腰を据えて撮っている余裕なんてありゃしないので、サッと構えてパッと撮って、それで確実に被写体を仕留めてくれるかどうかは死活問題。AF がちゃんと決まること。AE と AWB が大外ししないこと。これ大事。まあ、多少は RAW 現像で手直しが効くけれど…

あと、機種が変わっても操作性が大きく変わらないことも大事。複数台を併用していたり、機材を更新したりしたときに、操作に迷ってしまうと困る。操作系の配置をガラッと変えてくるのも困るけれど、配置は同じなのに機能や並びが違うのは勘弁して。

たぶん、「プロの道具としての信頼感」ってそういう話で、AF が速いとか連写性能がいいとかプロサービスがあるとかいうだけの話じゃない。もちろん、メーカーの中の人は、そんなことぐらい先刻承知であろうけれど。


「道具としての信頼感」というと、PC にも似たような話はある。別にスタイリッシュでなくてもシャレオツでなくてもいいから。とにかくタフで、そこそこの性能があって、(大量の文章を書く人間にとっては特に) ちゃんとしたキーボードが付いてること。

特に最近のラップトップときたら、アイソレーション キーボードばかりになってしまった。個人的には、ストロークが短くてタイプしづらい上に疲れるので、これ、大嫌いなのである。

昔だったら ThinkPad の一択だったけれど、今は手を出す気がしない。結局、Let's Note が一番というとこになってしまう。実際、取材の現場で見ていても、Let's Note のユーザーは多い。いいお値段するけれど、それに見合った価値はあると思う。

それに、秋葉原に修理拠点があって、トラブルや破損があっても迅速に対応してもらえるのもありがたい。過去に何回かお世話になっている。

「プロの道具」というと、「性能がいいもの」というイメージがありそうだし、もちろん、あまりにも性能が悪ければ話にならないのは事実。でも、それだけでは「プロの道具」とはいえないよね、という話をつらつら書いてみた。

それでは皆さん、良い夏休みをお過ごしください。(なにこの終わらせ方)

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