Opinion : 関係者に限られない関係者限り (2019/12/2)
 

さまざまな分野で「関係者限り」となっている場合があって、その場合、関係者ではない人は、指をくわえて見ていることになる。はずなんだけど。

先日の百里基地航空祭。本番は日曜日で、前日の土曜日は御近所さん向けの事前公開だと聞いていた。ところが、その土曜日になってみたら「御近所さんじゃない人がたくさん入場してたらしい」なんて話がちらほら。

現場に行っていない自分には、それを確かめる術はないけれども、「ありそうな話ではあるなあ」というのが正直な感想。


「関係者向けイベント」の場合、その「関係者」に対して事前に入場券を配るのが、おそらくはもっともポピュラーなやり方。でも、単に入場券を配るだけだと個人との紐付けができないから、譲渡や転売を阻止できない。

阻止できないだけでなく、入場時の本人チェック (最初に入場券を渡した本人かどうかの確認) も難しい。そこをなんとかしようとしたのが、今年の観艦式だったということなのだろうけれど、そうなるとシステムの構築・テスト・運用に相応のコストがかかってるはず。

つまり、「関係者限り」のハズの入場券を外部に流す不届き者がいるせいで、国民の血税を余分に使ってるんじゃないの、ということになる。これについて、支出を削るためなら手段を選ばなそうな財務省は、何も文句をいわないんだろか。

これが中国だったら、もっと話は簡単になる。個人に関するデータは国がガッチリ押さえているだろうから、得意の顔認証ゲートを入門場所に設置すれば一挙解決。本人じゃないと判断されたら叩き出せば済む。

でも、それと同じレベルのことを日本や欧米諸国でやれるかといえば、たぶん無理である。

なんてことを、「当サイトでは Cookie を使用しています」ポップアップが出る度に [Accept] をクリックしながら思う次第。Cookie でもこの調子だから、何でも顔認証で済ませるなんていったら、どんな騒ぎになることやら。「国民総背番号制」でも妙な煽りをする人がいるわけだし、ねえ。

それはそれとして。

これが、「内輪限定のつもりで作ったグッズなんかを、家族・親戚・友人・知人に横流し」ぐらいだったら、実害は少なそう。手に入れた側が良識を働かせて、手元にしまい込んでいる限りは、横流しは外部に可視化されないから。

ところが、イベントの入場ということになると話は別。しかも入場する当の本人が、そのことをネットに投稿して喧伝してしまえば、もう可視化されまくりである。すると当然、「投稿した本人は関係者の条件に該当しないはずなのに、なんで」と思う人は出てくるだろうし、結果としてモメる原因を作ってしまう。

そして騒ぎが大きくなれば、転売・譲渡対策のために余分なコストをかけなければならなくなってしまう。

総火演では観艦式ほど大がかりなことはしていないようだけど、あれなんかいっそのこと「部内教育」という本来の目的に立ち返って、部外者を入れるのは止めちゃったら、と思いたくもなる。これは「関係者限り」のイベントではないけれど、入場券の譲渡・転売事例は実際にあるわけだし。


人間、「限定」と頭に付くと、ついつい釣られてしまいがち。それに「貴重なチャンスを逃したくない」という心理も働くし、「誰もが行けるわけではないところに行ければ自慢ができる」という心理だって働く。

だから、「入り込むためなら手段を選ばず」となる人はどうしても出てくるし、それを阻止しようとすれば、なにがしかのコストがかかる。でも、阻止しなくても違う意味でコストが発生するのだから面倒な話。

「内輪限定」「関係者限定」「御近所限定」のイベントなら、広く告知しなくても済むだろうから存在そのものが知られずに済むのでは、という考えもありそう。しかし昔ならいざ知らず、当節だと情報をふれて回る不届き者が一人いるだけで、あっさり拡散されてしまって意味がなくなる。

目に余るレベルで不正や裏取引や抜け穴ルートが横行すると、結果としてイベントそのものが消滅することにならないか、という心配までしてしまうけれど、はてさて。

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