Opinion : 行けない国 (2019/12/16)
 

2016 年からこちら、年に 2 回のペースで海外に出ていたけれど、今年は 4 回に倍増した。さて、来年はどうなるだろう。この程度のペースでも、パスポートのスタンプ欄はそこそこ埋まってくるわけで、ペースが上がったらどうなりますか。

といっても、本格的に溜まる前に期限切れ・更新・仕切り直しになる可能性が大。

さて。先日、某所で話をしていたときに「来年の海外遠征は」という話になって、「珠海はどうですか」と話を振られた。

「中国は勘弁してください」と全力で辞退した。


こういう仕事をしていると、「行けない国」というものがいくつか出てくる。たとえば、イランや北朝鮮がそれで、そちらを訪れた結果としてアメリカに入国できなくなる、あるいは入国前のやりとりがめんどくさくなると、まことに仕事に差し支える。

実際、過去にイラン駐在の記録があったためにアメリカに入国できずにいる、なんていう実例があると聞いているし。

だから、この手の国は当然のように「行けない国」リストに載る。飛んでるトムキャットを見てみたくないかといわれれば、そりゃまあ見たくはあるけれど。でも、それと引き換えに失うものが多すぎる。昔、厚木で見てるしね。

そこで冒頭の話。中国に入国したからといって、アメリカに入国できなくなるなんてことはない。でも、自分みたいなポジションの人間が、しかも組織的な後ろ盾が何もない人間が中国に乗り込んだら、正直いって「何をされるか分かったもんじゃない」。

え、「李下に冠を正さず、怪しいことをしなければ大丈夫だろう」って ? いや、そんな話は信じない。なにせ、すでに人の名前を勝手に使ってフェイクニュースをでっち上げるようなことをしている国である。フェイク罪状をでっち上げて逮捕するぐらい、造作もなかろう。

ただしこの朴念仁、ハニートラップを仕掛けられても気付かずにスルーしてしまう可能性なら、あり得ると思われる (自分でいうな)

しかも、華為技術の一件では何回も「公共の電波」を使ってしゃべっているのだから、なおのこと。要注意人物リストに載せられていても不思議はないのでは、と思ってしまうのは自意識過剰かしらん。しかし、用心するに越したことはない。

正直いって、中国本土どころか香港やマカオだってどうだろうか、と思うことがある。すると、香港乗り換えの国際線も忌避した方がいいかも知れないなあ。といった調子で、警戒警報は際限なく広がっていく。しかし、用心するに越したことはない。

「そんなに中国政府当局のことが信じられないのか」って ? うん。信じてない。

そんなわけで、来年以降も海外遠征は基本的に北米・西欧・北欧・大洋州の範囲内にとどまると思われる。あと、シンガポール。


ちなみに、韓国とロシアは「行けない国」リストには入れていない。ことに韓国は「F-35 全カスタマー制覇」をやろうとすれば、必然的に対象に入る。でも、今年の実績はほとんどスタティックどまりで、飛行展示がロクになかったのは惜しいところ。飛ばして見せてくれるというなら、週末だけ弾丸日程で訪れるのはありかも。

ロシアは、他に詳しい方や慣れてる方が多いから、あえて自分が行くまでもないか、というのが正直なところだったりする。特段、ロシア政府に目を付けられるようなことをしているつもりはないけれど。

近隣だったら、むしろ台湾かな。ただしここの場合、ミリタリー系よりも鉄道系で訪れてみたい。

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