Opinion : 安直に承けると痛い目に遭いそうな話 (2019/12/23)
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先日に渡米したときのこと。
なにせ 3 週間前にも入国したばかり。そこでお約束通りに「観光です」なんていったら、却って怪しまれるんじゃないかと考えた。別に悪いことをしに来ているわけではないし、ちゃんと説明すれば別室送りにはならないだろうと。
ということで、はなから正直に説明して正面突破を図ったら、一発で OK が出た。たぶん、相手が「おお」と思いそうな言葉をうまいこと使った、こちらの話の仕方もうまかったんだと思う (自画自賛)。
ちなみに 11 月のときには、これまた正直に「Nellis AFB のエアショーに行く」といったら一発 OK だった。そういえば 3 年前の DFW でも、馬鹿正直に「日本向けの F-35A が」と説明したんだった。
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ただし。その後で食い物については訊かれた。外国に行くと食い物の持ち込みにうるさいケースがあるのは承知していたから、当然、何も持っていない。で、そう説明して、さほど突っ込まれることも、荷物を開けられることもなく、クリア。
以前にもどこかで書いたように、特に初めて行く場所の場合には下調べを念入りにやる主義なので、イミグレでトラブルになった記憶はない。質問攻めになって「エアショー見物だ」といった途端に解放されたことはあったけど。あと、保安検査で荷物を開けられたり、追加で身体検査されたり、という程度の経験はある。
なんでこんな話を書くかといえば、先日、「海外旅行のついでに品物を運ぶのを仲介するビジネス」が話題になっていたから。
あ ぶ な い だ ろ。
もちろん、御禁制品を持ち運ぶのでなければ、お縄にはならないだろうけれど。でも、国によってそれぞれ異なる、持ち出し禁止や持ち込み禁止の品物について、いちいちちゃんと調べきれるものだろうか。事業者側も、実際に荷物を運ぶ側も、荷物を頼む側も。
ただでさえ「ところ変われば品変わる」。事前にいろいろ下調べをする人でも、実際に現地に行ってみたら戸惑ったり、間違えたり、混乱したりすることはある。ましてや、ちゃんと下調べをしないような人ならなおのこと。
御禁制品の話とは違うけれど。「スウェーデンに行ってみたら、横断歩道の信号機を作動させる押しボタンが歩行者用と自転車用で別々にあった」なんて話は、現地に行くまで分からんかった。それで、よく分からずに自転車用の方を押してしまい、カールスクローナ駅の近くでボケッと信号が青になるのを待つという失敗をやった。
これぐらいなら笑い話で済むけれど、出入国に際しての「持ち込んでいいもの」と「持ち込んではいけないもの」の区別となると、話は違う。ある国で OK なものが、別の国では御禁制だったり、しかも罰金ぐらいで済めばともかく、ブタ箱入りだってあり得る。そういう種類の話なのだから。
おまけに、顔見知りの家族・友人・知人から依頼を受けるならともかく、見ず知らずの誰かさんから依頼を受けるとなれば、一挙にリスクは増す。
そういう注意点やリスクがあることを放っておいて、「目新しい」「面白い」といった興味本位で取り上げるのって、ちと能天気すぎやしませんかと。
報じる側も報じる側だけど、そんな商売にホイホイ乗る方もどうかと思う。ホイホイ乗るような人なら、「事前の入念な下調べ」とは縁が薄そうだし (個人的偏見)。その挙げ句に人生を棒に振りかねないような事態になったら、どないすんねん。
しかも、当該国が「公正な法執行」とは縁のなさそうな国だったら… ガクガクブルブル。
結局のところ、これも「安易な儲け話には気をつけろ」の一例なのかも知れない。下調べをきちんとやって、法令遵守を徹底した上で承けますというなら、自己責任だから止めはしないけれど。
でも、だいぶ昔に書いたように、「自分でケツをちゃんと拭ける範囲内」での「自己責任」である。
なお、自分もある種の「運び屋」ではあるけれど、運ぶのは情報であって、物理的な形がある「モノ」ではないからなぁ。
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