Opinion : レジ袋有料化に関する雑感 (2020/7/13)
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この 7 月からスタートした「レジ袋有料化」。何を思ったのか環境省は山手線に、この件をアピールするための貸切広告電車まで走らせているけれど、「そこまでするんかいな ?」というのが正直な感想。
しかも (写真じゃなくて似顔絵だけど) タレントさん三人を引っ張り出すという内容で、それって当然、なにがしかのギャラは払ってるんですよね ?
その、山手線の広告電車では「海洋プラごみ」の問題を喧伝しているのだけれど。それって本質は「ゴミが海に流れ着くのが問題なら、それはゴミの捨て方の問題なんじゃないか ?」と思うし、実際、そういう指摘は出ている。
それに、レジ袋をゴミ袋代わりに使用している場面はよくあるし、自分みたいに「旅先で発生した汚れ物を突っ込んでおく」のに活用している方も多かろう。それの入手元が絶たれることになれば、「新たにゴミ袋や汚れ物用の袋を買う」とかいうトンチキな事態になりかねない。
それは当然、使用後はゴミになるのである。それでは何も変わらないじゃないの。
自分はもともと、レジ袋を辞退する場面がけっこうあった。再利用できるものなら再利用するからありがたく頂戴するけれど、コンビニで小さな買い物をしたときに出てくる小さな袋。あれは再利用が効きにくいから使い道に困る。それに、その程度のものならバッグの空きスペースに突っ込めるし。
皆がそうやって個別に「要・不要」を判断して、それで結果的に使用量が減りました、ゴミも減りました、というなら良いことだと思う。
おもいっきり個人的な話を書くけれど、たとえば撮影に出た先のコンビニやスーパーでパンやお弁当を買いました、なんて場面。それがまとめて袋に入れられて出てくれば、用が済んだ後のゴミを捨てるときにも袋ごと捨てることになるし、その他のゴミも (余地があれば) 一緒に突っ込める。合理的である。
そこで「レジ袋なし」になると、モノをむき出しでお持ち帰りする可能性が高くなる。すると、それを捨てるときにどうしようかという問題になる。モノがひとつならともかく、複数あると、個別に持ち歩くのは手がかかりすぎる。
そこで先に書いたように、捨てるために別途、ゴミ袋ないしはそれの代用品を買って用意するのでは、もう本末転倒。その面倒を嫌って適当に投棄することになれば、却って環境汚染である。
もっとも現実問題として、以前から「有名撮影地でのゴミのポイ捨て」は問題になっているけれど… 実際、ペットボトルや空き缶が地べたに落ちている現場は、何度も目撃している。でも、これってレジ袋有料化で解消できる種類の話とは思えない。
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してみると、レジ袋有料化とは、「問題解決に取り組んでいる姿勢を見せる」ために人身御供を出した一例なんじゃないだろうか。そもそも、プラごみはレジ袋だけじゃない。
この件に限らないけれども、こと「環境問題」についていえば、「分かりやすい人身御供を祭り上げて、それを排除することで問題解決に貢献した気分になる」事例がいくつもあるように思える。
例の「飛び恥」なんていい例で、CO2 排出量・排出効率 (っていうのか ?) の観点からいえば、自家用車の方がよほど影響が大きかろうに。(えっ、おい、聞いてますかアメリカの皆さん)
これもまた、たびたび言ったり書いたりしている「本来の目的を忘れて、手段が目的になる」の一例じゃないの、という話になる。
それに、レジ袋には「万引き対策」という一面もあったんじゃないのか、という指摘が出ていて、それはまったくその通り。この件も含めて、落としどころに行き着くまではしばらくゴタゴタしそう。
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