Opinion : 本性が表に出る場面 (2020/8/31)
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昔から、「彼氏・彼女のホントの姿を見たければ、一緒に旅行に行ってみろ」なんてことをいう。なるほど、予定通りにスムーズに旅程を消化できている場合でも、意見が合わなくてゴタゴタ、ぐらいのことはありそうだし。
でも、トラブルに見舞われれば、そんなもんではきかない。冷静さと対処能力が問われる。いちばん理想的な展開は、トラブルに備えた対策が自然に織り込まれているというやつだけれど、これは経験がモノをいうので万人に求めるのは無理そう。
自分は、大小取り混ぜると年に数十回ぐらいは旅に出ているお出かけヤクザなのに、その割に大きなトラブルに見舞われた経験は少ない。もっとも、追突事故でクルマを破壊された、なんていう特大の一件はあったけれど。
実のところ、旅程崩壊すらあまり縁がなくて、崩壊しそうになったけどリカバリーに成功したとか、大事に至らずに済んだとかいうことがほとんど。昨年にスウェーデンで、40 分の遅延が波及して最終的に 2 時間あまりの遅延になった一件ぐらいだろうか。こんなの、本格的な旅程崩壊と比べれば、かわいいかわいい。
仕事で渡米している最中に 9.11 が勃発して、帰りの飛行機が飛ばなくなってしまった。なんていう目に遭った身内がいるけれども、そっちの方がはるかに大変だったのは間違いない。
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おっと、話が散らかってしまった。
旅行は分かりやすい一例だけれど、それ以外の分野、つまり仕事やその他の日常生活でも同様。想定外の事態や、何らかのトラブルが起きたらどうするか。
そこでアタフタするだけで何も動けない人と、なんとかリカバリーしようとする、あるいはリカバリー策をひねり出して実践できる人と。どちらが頼りになるかといえば、いうまでもないこと。
そういう意味では、COVID-19 の騒動が持ち上がった今年は、その手の試練が次々に降ってきている年だといえる。感染防止対策の実践はいうに及ばず、次々に勃発する買い溜めパニックしかり、何かと恐怖感・不安感を煽るあれこれしかり。
幸いなことに、うちでは買い溜めパニックの影響をほとんど受けておらず、モノがあるときに買っておけばいいや、ぐらいのことで済んだ。それはなぜかといえば、過去の経験から、在庫の確保をしっかりやっていたおかげ。
東日本大震災の後で在庫を積み増した品目がいくつかあったけれど、それが今回になって初めて効いた。実践してから効力を発揮するまでに 9 年かかるというロングスパン。普通なら途中で「もういいや」となりそうなもんだけれど、我ながらよく投げ出さなかったと思う (自画自賛)。
ともあれ、「物事が思い通りに行かない」「物事が順調に行かない」といった事態に遭遇したときに、「そんなこともあろうかと思って」とヤマトの真田さんみたいになった人ばかりではなかったろう。
一方では、パニックを起こした人もいるだろうし (それがえてして、買い溜めパニックに煽られる)、「アベが悪い」とブー垂れただけの人もいるだろうし。たぶん、以前に書いたことがある「厭世的無常観」の世界に逃げ込んだ人もいたんじゃないだろうか。
冒頭で引き合いに出した旅行の件に限らず、なにかしら「思い通りに行かない事態」に遭遇したときこそ、その人の本性が出るよね。とはいいたい。そこで平常心を保っていられる人は強い。
実は、逆もまたしかり。物事がうまくいったときに、因果関係を正しく理解できない人もいる。自分がやったことが何か効いたわけでもないのに、「俺のおかげだ」「俺の作戦が当った」などと勘違いするようなことが起きると、たぶん、後で足元をすくわれる。
そういう意味では、「難局に直面したとき」だけでなく、「浮かれているとき」にも、人間、本性が現れるものなのかも知れない。自分も気をつけないと。
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