Opinion : ミスはリカバリーより予防 (2020/11/30)
 

普通なら月曜日に更新しているけれど、「四国遠征の際にラップトップを持って出るのを忘れた」という前代未聞のスットコにより出先での書き物がすべて止まってしまい、本館の更新が翌日にずれ込むという間抜けな話に。

よくよく考えれば、今年は以前にも別件のスットコ (電車内に三脚を置き忘れる) をやっている。どうもいかん。もともとオッチョコチョイなところはあるけれど、ある種の生命線であるところのラップトップを自宅に忘れて出るなんて、初めてやった。

そこで、更新が遅れたついでに、その遅れた原因をネタにして一発、書いてみようと思った次第。(←転んでもただでは起きないやつ)


今年の大チョンボについていえば、三脚は幸いにも回収できた。ラップトップの持ち出し忘れの方がダメージは大きかったけれど、前日にスケジュール情報を OneNote に転記していたので、出先でスマホを使って参照することはできた。

あと、メールのやりとりや Web ブラウズなどはスマホで片付けたので、ある程度の対処はできた。といっても、カメラのデータを吸い上げて複製するとか、RAW 現像までやっちゃうとかいうのは不可能な相談。スマホがあるおかげで便利な思いをしていることはいろいろあるけれど、やはりラップトップの代わりにはならない。

それに、スケジュール情報の転記を前日にやっていたから救われたにしても、それを忘れたらリカバリーにならないわけで。

そういえば。過去にはカメラで「メモリカードの入れ忘れ」をやらかして、目的地に向かう途中であわてて買ったことがある。以来、カメラバッグには予備のメモリカードを常備しているし、最近では予備のバッテリまで加えている。これもまた「100% ではないものの、リカバリーになる手段」のひとつ。

そうはいっても、リカバリー手段に力を入れるより、まずはミスを起こさないようにする方が先決。そっちの方がトータルのコストが低い。(予備のメモリカードだのバッテリだは、使える余剰品があったからやった話で、そのために新品を買い足したわけじゃない)

(そういえば以前に、EF 16-35mm/4L と間違えて EF 24-105mm/4L II を荷物に入れちゃったこともあったなあ…)


で。今年やらかした二件の「忘れ物」を省みると、どちらも何か、他のことに気をとられているときにやらかしていることに気付く。

三脚の置き忘れはさらに、三脚だけ荷棚に置いていたところにも一因がある。だからその件以来、(しばらく疎かになっていた) 降車時の座席まわりと荷棚の確認を徹底するようになった。後は、気を抜いて確認が疎かにならないようにするのが課題。

ラップトップの持ち出し忘れは、「乗り継ぎの時間的余裕を確保するのに、できれば早い電車に切り替えたい」という一種の焦り、それと寝不足で頭の回転が悪くなっていたところに原因がありそう。

航空事故の事例を見てみると、これがまた「他のことに気をとられていたせいで、肝心なところに注意が向かなくなっていた」という事例が散見される。

分かりやすくてポピュラーな例だと、降着装置の表示灯に気をとられていたせいで、高度の確認が疎かになり、いつの間にか降下を始めていたことを見落としていたイースタン航空の L10 墜落事故がそれ。

飛行機を墜としたり、大チョンボの忘れ物をしたりといったクリティカルな事例でなくても (←並べた事例の fatality に差がありすぎる)、他のことに気をとられていたり、焦りが出たりしたせいでミスをする事例、身近なところにいっぱい転がってるんじゃないだろうか。クルマの事故なんかでも、「考え事をしていて…」というのがあるわけだし。

すると、「考え事をしていたせいで事故った」なんて事態は阻止できないものの、忘れ物や忘れごとは、(ある程度、定型化できる案件なら) チェックリストを作ることで対処できそう。なるほど、飛行機の操縦に際してチェックリストが欠かせないわけである。

ただし、「チェックリストの内容を覚えてはいけない」という鉄則は守らないといけないけど。


とある小説に出てきた話だったと思うけれど、「疲れているときこそ、物事はゆっくり、慎重かつ確実に」というのがある。しかし、何も疲れているときに限らず、何事もゆっくり、慎重かつ確実にやる方が、間違いはない。

一度、ミスするのは仕方ないにしても、二度も三度も同じミスを繰り返すのは避けたい。すると、「ゆっくり慎重に」と「チェックリスト」の合わせ技でなんとかするのが現実的、というのが目下の結論。

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