Opinion : 高速道路の休日割引、やめたら ? (2021/6/21)
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最近、高速道路を走る度に「休日割引、○○まで中止」の期限が延びている。その理由はもちろん、例の「緊急事態宣言」にあるわけだけど、それで果たしてどれぐらい、トラフィックを抑制できているかどうかは知らない。
現実問題、日曜の夕方になれば都内に向かう上り線はたいてい渋滞している。あと、(昨日は自分も巻き込まれかけたけど) 事故渋滞も起きているから、これはもしかすると「不慣れなサンデードライバー」が出没していることの証左かも知れない。
もちろん、そうだと断言できるエビデンスはないけれど。しかし以前から、週末や盆暮れ正月 GW になると、事故渋滞が頻発する傾向はあるように思えるし。
普通の勤め人にとっては、お出かけできる機会は週末しかないのが普通だから、そこでトラフィックが増えるのは致し方ない部分もある。昔のヤマハみたいに「日・月休み」だと、多少は分散化に効くかも知れないけど。
ただしそれだけの話ではなくて、「割引が効くからクルマで出よう」という部分もあるのは否定できないのでは。現に、その昔に天下の愚策「高速 1,000 円」をやったときの、各方面のムチャクチャな渋滞ぶりという実績もある。
あと、休日割引を停止するとかなんとかいう話が出ると、文句をいう人も出てくる。もっともこれは、「人間、一度手に入れたものを奪われるとなると抵抗する」の一例でもあろうけれど。
でもねえ。通勤定期や通学定期について「割引率が高い乗客が朝夕のラッシュ時に集中して、そのために輸送力増強を求められてしまう」といわれるのと同じデンで、高速道路だって「割引がある週末にトラフィックが集中して、そのために車線増強などを求められてしまう」という一面があるのでは。
正直な話、COVID-19 がらみの緊急事態宣言をひとつの潮時にして、高速道路の割引制度だって見直していいと思う。たぶん何度も書いていることだけど、週末にトラフィックが集中して、そこここで大渋滞が発生してガソリンを無駄に燃やすのってどうなのよ、とも思うから。
それならむしろ、料金制度をトラフィック平準化のために使う方がよくね ? という話。正直な話、火力発電所を槍玉に挙げるよりも、渋滞でガソリンをボーボー燃やすのを抑える方が、よほど良いし受け入れられやすいのでは。だいたい、渋滞が好きな人は (たぶん) いないのだから。
「休日割引を止めると観光業にダメージが」という人が出てくるだろう、という予想もできる。でも、それなら現地周遊型の ETC パッケージ商品を充実させて、行った先であちこちするように誘導すれば ?
つまり、特定エリア内は乗り放題、そこまでの往復は通常料金、と。そうすれば必然的に、元を取ろうとしてエリア内を移動する人が増えて、結果的に当該エリア内に落ちるおカネが増えるのでは。と、これも料金制度を誘導に利用する一例。
通勤なんかで利用している人のことも考えて。というなら、JR 東日本が最近始めたみたいな、「同一区間を一定回数以上利用したら割引」みたいな形だって、あり得るわけで。(いやそもそも通勤なら普通は平日だろ)
なんてことを書くと、「でも、公共交通機関は危ない」という人が出てくるのは、おそらくお約束の展開。でも、昨年から今年にかけて、公共交通機関で出歩き回っているこの私、ピンピンしているわけで。というだけでは、サンプルが少なすぎるけれど。
だいたい、鉄道にしろバスにしろ航空にしろ、事業者サイドもいろいろ工夫したり気を使ったりしているわけで。ちょうどしばらく前に、JAL のウィルス不活性化コーティングについて取材してきたから、通常以上にそれを感じるのかも知れないけれど。
それと、漠然と「公共交通機関は危ない、自家用車なら安全」と思うぐらいの了見の人が乗ってるクルマと。実際のところ、どっちが安心感があるだろ ?
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