Opinion : 推しアイテムのどこに惚れてますか (2021/9/6)
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どうやら、北欧トーキョーのライ麦食パンが discon になったらしい。いつも買いに行く某店の店頭掲示ではそうなっている (公式 Web サイトには商品情報が載ったままで何の言及もないけれど、あそこはサイトの更新が緩慢だからなぁ…)。
これに限らず、「日常生活の友」にしていた品物が discon になるのはままあることで、個人的にはアヲハタのレモンママレードが消えてしまったのが悲しい。ただ、メーカー側も商売でやっている以上、なにかペイしなくなる事情があれば、生産打ち切りになるのも致し方ないのは理解できる。
この辺は日用品の話だけれど、鉄道車両でも旅客機でも軍用機でも艦艇でも、みんな寿命はあるわけで、いつかは引退する。いや、人間にだって寿命はある。ときどき、死にそうな目に遭っても切り抜けてしまう運の強い (?) 人もいるけれど。
で。あれこれ話を広げすぎると収拾がつかなくなるので、まずは日用品レベルの話。気に入って常用していた「うちの定番」が消えてしまった場合、たいていは、代わりとなる新たな定番を探すことになるんじゃないかと思う。少なくとも、うちではそう。
そこで問題になるのは、「何なら代わりが務まるか」。それを明確にするためには、まず、最初の推しのどこが気に入っていたのかが分からないと始まらない。ときには、理屈じゃなくてフィーリングで決めてしまうのもありそうだけれど、そればかりとは限らない。
「うちの定番」の、どんなところが気に入っていたから定番になったのか。それが分かっていれば、同じ、あるいは近い要件を満たしたものと巡り会えれば、新たな「うちの定番」が決まることになるんじゃないだろうか。
北欧トーキョーのライ麦食パンだと、個人的に気に入っていたのは「もっちり感×密度感」。ライ麦食パンと題する品物は意外と多いけれど、特に密度感がしっかり出ているやつは少なくて、たいていはスカスカ (自分が試した範囲ではそうだった)。
ただ、「もっちり感×密度感」を備えたパンが好みである、と分かっていれば、その条件を満たしそうなやつを探せば良いわけで。少なくとも、目指す方向ははっきりする。条件を満たす品物が出てくるかどうかは、また別の問題なれど。
アヲハタのレモンママレードだと、上品な甘みと酸味のコンビネーションが絶妙だったけれど、これもなかなか代わりが見つからないやつ。一度、「英国王室御用達」と称するレモンママレードを試してみたけれど、お下品に甘くてレモンっぽさが皆無だったぞアレは…
よりによって英国海軍の空母が来日しているときに、英国王室御用達商品の悪口を書くのかあ ?
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鉄道車両でも、やはり「好みのポイント」を明確化する意識は持っている。それは、外見だったり、内装だったり、腰掛の出来だったり、走りっぷりだったりするわけだけれど。
同じ「速い走り」でも、スラローマーぶりを見せつける北海道や四国の振子特急と、さりげなく速く走る N700S のそれはまったく異質だけれど、どっちも好き。変わったところで、メカやシステムが好きというのもあって、F-35 は、たぶんこれ。N700S にもそんなところがある。
趣味の対象の場合、そんな「推しポイント」が明確だと楽しい。そんな視点から見ると、明確な推しポイントがなくて、単に話題だから、珍しいから、というだけで追っかけてるのって楽しいんだろうか。個人的には疑問。
もちろん、いつでも何でも常に同じポイントに惚れ込むとは限らない。ただ、今の「推し」のどこに惚れ込んでいるのかを自覚していると、回り道が減るのではないか、という話。ただしこれには前提条件があって、「次も同じ資質を求める」のでなければ成立しない話であるけれど。
それに、これはあくまで日常的に使ったり食ったりするものの話。贔屓の車両や機体やフネが引退したからといって、すぐさま後釜の推しを探しに行くかというと、それはなさそう。自然に惚れ込むものだから、それはそう。
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