Opinion : インフルエンサー広告ねえ… (2021/9/20)
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子供の頃に、妹がインフルエンザにかかってヒーヒーいっていて、横で自分はピンシャンしていた、という出来事があった記憶。まぁ、ナントカは風邪ひかないというし。
ただし今回のお題は、インフルエンザではなくてインフルエンサー。
自分は、そういうポジションを目指そうという意思をまったく持っていないけれども、ネット上で影響力を発揮して有名になりたい、という欲や意思を持っている人は、それなりにいる様子。統計を取ったわけではないから、絶対数は知らないけれど。
それは個人の意思の問題であって、思想信条の自由があるから、好きにすればいいと思う。そして、インフルエンサーがいうことを、信じるのも信じないのも個人の自由。
ただ、(これは物書き業も同じだけど) インフルエンサー業界、マトモな人もいれば、マトモでない人もいる。そのことは、たとえば COVID-19 をめぐるあれやこれやで、充分に可視化されている。最近だと、「反ワクチン」なんかが典型例。
反ワクチンを唱えて、まわりを信者が取り巻いて、ときには信者になにやら商品を売りつけて商売している人もいる模様。それが効果がありそうなものならまだしも、いかにも胡散臭い。ところが、理屈と膏薬はなんにでも付くように、どんな人でも、うまいことアピールすれば信者は付く。信者というぐらいだから、他の人が諭そうとしても聞く耳持たず。
最近、企業が広告宣伝にインフルエンサーを活用する事例がある。新しいカメラを有名ユーチューバーに提供して、とかいう話もあるらしい。それはそれでひとつの宣伝方法であろうけれど、問題は相手をどう選ぶか。
実のところ、この手の宣伝手法は以前からある。しばらく前なら「有名ブロガーに商品を提供して…」みたいなやつがあった。手段が流行りに応じて変化しても、根っこの考え方はあまり変わっていないのかも知れない。思うにこれは、新聞広告や TVCM でリーチできない層にアピールしようということなのかしらん ?
ただしそれも、人選を間違えると逆効果になりかねない。実際、宣伝のために人選した相手が「おいた」をやらかしたせいで、メーカーにも火の粉が飛んできた事例が、どこかのカメラ屋さんであったような。
つまり。有名ブロガーだろうが有名インフルエンサーだろうがなんだろうが、新聞広告や TVCM でリーチできない層にアピールする効果は期待できるかも知れないけれど、人選を間違えると逆効果。だから、人選できるだけの眼力がないと怪我をする。
ありていにいえば、「フォロワー/チャンネル登録者が多い」とかいう理由だけで人選していいの ? という話。御本人のモノの考え方や過去の言動、識見、そういうところまで考慮に入れないと。最初から炎上を織り込んで仕掛けるのであれば、また話は違うだろうけれど。
それだから、「防衛省がインフルエンサーを活用して広報を」とかいうニュースが流れてきたときにも、どうにも不安を覚えた次第。そりゃ確かに、新聞やテレビでは往々にして「悪いこと探し」ばかりやってくれるし、そもそも新聞やテレビに接しない層にはリーチできない。
ただ、「影響力のある手段を使って手っ取り早く成果を挙げたい」というのは、こと国防というテーマにおいて、果たして適正な手なんだろうかという疑問がある。普遍的な話として、流行り物を使ってワーッと盛り上げても、えてしてサーッと忘れられる。
自衛隊に対する国民感情が良くなってきたのだって、長い時間をかけて個々の隊員のレベルから積み上げてきた実績があったからでしょ ? 国防に関する理解を深めてもらうのは大事なことだけれども、そこで銀の弾丸はないと思う。
それに、「国民に親しまれる」ことも重要ではあるけれど、本質的には「国防のための武装組織」なんだから、広報においてもそのことから逃げるべからず。そこで官も国民も「覚悟」を決めないとダメだろうという話は以前に書いた。そこのところで腰が据わらないと、どんな手段で宣伝しても結果は変わらないのでは。
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