Opinion : 無鉄砲な子供の背後に、悪い大人がいるのではないか疑惑 (2021/10/25)
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9 年ぐらい前だったか、GW 明けに北海道に行った。そしたら気温が 10 度かそこらで、内地と同じ服装では寒くて耐えられず、上に羽織るモノを慌てて買いに行ったという間抜けな話。幸いにも、風邪をひくようなことはなかったけれど。
そんな教訓があったから、以後は出発前に、旅先の天候だけでなく気温も確認するようにしている。南半球は極端としても、日本国内でも意外と、特に北の方は気温が違うから油断がならない。
先月に九州と北海道をひとまとめにして回ったときにも、着るものは「北海道仕様」にしたので、九州では暑い思いをした。でも、身体を壊したら洒落にならないから、仕方ない。
さて。なんでも、沖縄から徒歩と野宿 or ネカフェ泊まりで稚内を目指す 18 歳がいるんだそうな。PV 稼ぎに加担するのは嫌だからリンクは張らないけれど、報じたのは琉球新報である。それも (何を血迷ったのか) おおいに好意的に。
行ったことがある方ならお分かりの通り、北海道、とりわけ道東や道北は夏でも気温が低い。だから「夏にやる」といってもそれなりの覚悟と準備が要るのだけど、ましてこれから発動すれば冬である。おまけに徒歩だから時間がかかる。ゴール予定は 1 月だそうだ。
当然、常識人からは「そんなことやったら死ぬぞ」という指摘が相次ぐわけだけれど、それで却って、当人は意気に燃えてしまったらしい。あーあ。
寝る場所については「すべて野宿」とはいっていないらしいので、まだ逃げ道がある。でも、冬の北海道で徒歩移動って… なにも令和の世になって「八甲田山」を再現せんでもええのに。クルマで走っていてもヒヤヒヤすることがある冬の北海道で、慣れていない人間が徒歩移動だなんて無謀である。
「スマホの地図があるから道には迷わない」というかも知れないけれど、人家のない場所では圏外になることもある。場所によっては、線路と道路があるような場所でも圏外になることがある。紙の地図なら電池切れにも圏外にもならないけれど、そっちを読む練習はどれだけやったんだろうか。
第一、圏外になるような場所ほど遭難の可能性も高まるわけで、それではまずいことになっても助けも呼べない。そこのところはどう考えているんだか。
とかいう話もさることながら、ひっかかりを覚えたのは別のところ。この件にしても、以前に騒ぎになった (そしてあっさり未遂に終わった) アメリカ横断ヒッチハイクの中学生にしても、御本人、「まわりの人に (夢 | 勇気 | 希望) を与えたい」といっている。ひっかかったのはこれ。
「自分がやりたいからやる」を前面に出すのではなくて、殊更に「周りのみんなのためにやる」という体裁をとるという共通性。そして、同じような美辞麗句を掲げて、同じように無謀旅行を企てる未成年者が複数現れる。
これは果たして偶然の一致なのか。むしろ、それを焚き付けて、煽って、入れ知恵している悪い大人が背後にいるんじゃないか ? ただ、悪い大人がいるとして、何のためにそれをやるのか。
ひとつ考えたのは。この手の無謀旅行が失敗に終わる可能性は極めて高いわけだけれど、何か間違って成功してしまったときに、そこで焚き付けた本人が姿を現して、自分の宣伝にしてしまう。そういう展開はあり得るかなと。
発起する時点で焚き付け役が表に出たのでは、失敗したときに火の粉が飛んでくる可能性があるから、それはできない。そうすれば、失敗しても知らぬ顔の半兵衛を決め込むことができる。もっとも、何かの拍子に露見して火の粉が飛んできたとしても「本人の自己責任」で逃げを打つのだろうけれど。
ただ、焚き付けた悪い大人がいて、それがよしんば成功したとしても、焚き付けた側は利用できるだけ利用した後でポイするオチになるのではないかなあ。自分の利得や活動のために子供を前面に押し出す大人ってのは、往々にしてそれをやる。
あと、今回の件についていえば、初っ端に好意的に報じて、持ち上げてしまった琉球新報も、ある種の共犯ではないか。これで、もしも人死にが出たらどうするつもりなんだろう。
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