Opinion : アンチになってくれなければいい (2022/9/12)
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昨日は三沢基地の一般公開があって、知り合いも何人か現地に行っていた。こちらはだいぶ前から渡道の予定を組んでいたので、それどころではなかったけれど。(予定を組んだ後で「9 月末で 281 が落ちる」との発表があり、ヒヤッとしたのは秘密)
で。「昔はこんなじゃなかった」といいだすのは典型的な老化症状だけど、たまに、これをいいたくなることもある。
その一例が、在日米軍や自衛隊の一般公開イベント。海自の一般公開イベントなんか、1990 年代前半には閑古鳥… とまではいわないにしても、ガラガラでノンビリ楽しめた。それが今では、横須賀あたりだと、もう入場だけで分単位ではなく時間単位の待ち行列。ひえー。
ただし空自は、昔からブルーインパルスというキラーコンテンツ (おい) を持っていたから、多少、話が違ったと思うけれど。
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「人間航空祭」と揶揄される入間基地の航空祭を筆頭に、どこに行っても大混雑で、それを考えただけで行く気が削がれるというのが正直なところ。もっとも自分の場合、お仕事でいろいろ見たり経験したりしているから、という一面があるのは否定しがたい。(きゃっ石投げないで)
ただ、混雑にゲンナリするのが事実である一方で、それだけ多くの人が見に来てくれるのはありがたいことでもあるよね、というのも事実であろうかと。少なくとも、プラカードを持ってデモ行進するような人ばかり押しかけてくるのと比べれば、256 倍ぐらいいい。
中には「タダで非日常的なものを見たり体験できたりするのなら」という人もいるだろうけれど、それはそれでアリ。実際、市井の一般人から見たら非日常的なモノのオンパレードなんだから。その、非日常的なモノを使って任務を果たしているという世界があるということ。それを知ってもらうだけでも十分に意味がある。
そういう話になると、「国防に対する理解を深めてもらわなければー」と吹き上がる人が出てくる。かも知れない。でも、どうなんだろう。そもそも「国防に関する理解」ってなんなんだろう。市井の一般人がそこここで、呑み話として安全保障政策について語る、なんて状況が現出したら、それはそれで「えー」と思ってしまう。
たぶん、「そんな熱心な理解者やシンパになってくれなくてもいいから、とりあえずアンチにならないでくれればいい」ぐらいが落としどころなんじゃないだろうか (中の人が、実際にそう思っているのかどうかは知らない)。サイレントマジョリティって、そもそもそういうレベルなんじゃないだろうか。なにも自衛隊や在日米軍に限らず。
何が対象でもそうだけれど、アンチというのは理屈じゃないので、「○○が嫌い」となったらとにかくもう、ありとあらゆるチャンスや出来事などを活用して「○○が嫌い」の正当性につなげようとしてしまうもの。理屈じゃないから、それを理詰めで説得・翻意させようとしても無理な相談。
組織ではなくて個人が相手でも、この辺の事情は変わらない。
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そういう人が出てくるのは致し方ないし、思想の自由というものがあるので、「アンチになるな」と強要するのは禁じ手。だから、サイレントマジョリティが、その手の「とにかくアンチな人」に乗せられなければ、それで OK という話なんじゃないかなと。
むしろ、入れ込みすぎて「贔屓の引き倒し」に、さらにエスカレートして「無能な味方」になってしまう人の方が、長い眼で見ると始末が悪いかも知れない。一見したところではまともそうなことをいっていても、実はピントが外れまくった「贔屓の引き倒し」。たとえば自衛隊関係だけ見ても、あるあるである。具体的な名前を、ここであげつらうことはしないけれど。
それよりもむしろ、「熱心に支持するわけではないけれど、さりとてアンチにもならず、穏便に消極的に支持する」ぐらいの立ち位置の方が健全だと思いませんか。
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