Opinion : 取り上げられることへの反発 (2023/9/25)
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JR グループ (のうち、北海道、東日本、東海、西日本) が、新幹線と在来線特急のきっぷを一緒に購入したときに適用する「乗継割引」を廃止する、と発表。そのせいで幣 TL は、この話題に関するあれやこれやで、ボルテージがだいぶ上がった。
現実問題としては、乗継割引の対象は在来線区間の特急料金で、それが半分になる仕掛け。近年では在来線特急、そんなに長距離のものは多くないから、特急料金もそれに見合ったレベルになる。実のところ、乗継割引の廃止によるダメージは案外と少ないのかもしれない。ゼロではないのは事実なれど。
トラベル watch の連載で乗継割引の話を取り上げてなくてよかった、とホッとしているのはここだけの話。偶然とはいえ助かった。
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実のところ、「乗継割引が廃止になったから旅行を止める人が続発する」とか「乗継割引が廃止になったからマイカーに流れる」とかいうのは、まぁゼロとはいわないにしても、ちょっと煽り過ぎではないかと思っている。だいたい昨今、ガソリン代も高いし、盆暮れ正月 GW には高速の割引も適用除外になるのだから (これはまぁ、需要平準化の観点から見ても当然であろう)
結局のところ、まず「乗継割引の廃止に対する反発」があって、それを納得してもらおうとすると「利用者が逸走する」という話に持って行きたくなるのだろうなあと。他所の業界でも、似たような言説は出てきそうではある。
これに限らず、昨今では「値上げ」のニュースが続発しているせいもあり、そういう状況に対する反感がベースにあるのかも。ただしそれだけでなく、「これまで手にしていた、あって当たり前だと思っていたものが取り上げられる」ことへの反発という一面も、否定できないんじゃないの ? とはいいたい。
それがいけないことだとはいわない。気持ちは分かる。でも、何でもお気持ちだけで押し切れるものでもない。それに、過去の歴史を振り返ってみても、モノの値段が変わったり、制度が変わったりという事例はわんさとある。
自分に身近なところで、しばしば「改悪 !」という言葉が聞かれる典型例が、エアラインの特典航空券。自分は特典航空券ではなく、ポイント交換やアップグレード特典に使う主義なので、あまりダメージを感じていないのだけれど。ただ、こういう使い方がどちらかというと少数派なのは分かる。
とどのつまり「以前は○○マイルで△△から××まで飛べたのに、今は○○○マイルも必要になってしまった」という類の話が「改悪 !」と叩かれがち。これも、ある種の値上げではあるし、「過去に手にしていたものを取り上げられてしまった案件」でもある。
モノの値段の話や各種制度の話以外でも、似たような話はいろいろあるんじゃなかろうか。「あって当たり前と思っていたものが、ある日突然取り上げられたためにヒートアップする」という話。
さまざまな分野でいいだす人がいる「昔はよかった」論、あるいは「夢よもう一度」論の根底も、案外とこの辺にあるのかもしれない。
ただ、値上げというのは「諸経費高騰の折から仕方ないもの」であることが多いし、特典航空券みたいな制度改変モノも同類か。この辺は仕方がないところがある。鉄道趣味誌のお値段なんか、自分が中学生のころから比べると 2 倍以上になっている。(それは比較の対象がアレ)
こういうのは仕方ないかと思う部分が大きいし、手持ちのリソースの範囲内で配分を見直すなどして、なんとか乗り切ろうと思うのが普通の反応。以前にも何かで書いたように、「自分でコントロールできる領域の話に注力するべき」で、「自分でコントロールできない領域」の話をブツブツいっていても解決にならない。
ただ、どういう内輪の事情があったか知らんけど、自分らの前言をきれいさっぱりなかったことにして相手に責任を押し付けて、あまつさえ不正扱いしてペナルティまで課すような真似をすれば、それは話が別。自分の目の玉が黒いうちは、何回でも蒸し返して叩かせてもらう。
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