Opinion : 5 月 3 日の恒例行事に思うこと (2024/5/6)
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今日は 5 月 6 日。昨日が祝日だったので、今日は振替休日でお休み。もっとも、自分のゴールデンウィークは、ほとんど仕事と家事に明け暮れていたけれど。
そのゴールデンウィークといえば、5 月 3 日のアレ。「今日は憲法記念日です。(護憲派 | 改憲派) が集会を開きました」というニュースをやるのが恒例行事。でも、その内容たるや変化のないことおびただしい。右も左も、いつも 9 条ばかり問題にしていて、「日本国憲法には他の条文はないんかい」と突っ込みたくもなる。
それを取り上げる側も、なんかもう「5 月 3 日だから、これをやっとかにゃあ」という感じで、盆暮れ正月に高速道路で発生する渋滞と同様の「時候のニュース」と化している感がある。左右両方の話を取り上げて「中立公正です」という顔をしている。
実のところ、「改憲して自衛隊の看板を国防軍に掛け替えれば、国の護りが盤石になる」わけではないし、「憲法 9 条を掲げていれば平和を保てる」訳でもない。御神体を掲げて、毎年のように同じようなことを繰り返しているところは、どちらも似たようなもの。
ちょっとキツい言い方をすれば、そこにあるのは信心だけで、理念ではないと思う。そんなん、国の護りにはつながらない。
そういえば、以前と比べると最近は「愛国教育」みたいな話をあまり聞かなくなったような気がする。いや、やらなくていいんだけど。これもまたひとつの信心みたいなもので、それをやれば皆が国の護りに目覚める、なんてことはなかろうから。
つまり、グランド デザインそっちのけでパーツの話だけしていても勝てないでしょ、ということ。
本当に必要なのは、いつもいってるように、「国家として護るべきライン」と「想定有事シナリオ」を踏まえた上で、目指すべきエンド ステートを明確化して、それを実現するために何が必要なのかを考えること。正直いって、太平洋戦争の日本ではこれが欠けていたと思う。物量とか技術力とかいう以前の問題として。
物量とか技術力の面で問題がなかったとは言っていない。
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と書いてみると、「同じ話を何回繰り返しとるんじゃワレ」といわれそうな展開になってしまっている。そこで冒頭の話に戻すと。
「5 月 3 日の憲法記念日」という分かりやすいタイミングに集まって気勢を上げているけれど、普段は何をしているんだろう。どういう思想を持つのも個人の自由であるけれども、それを広めて仲間を増やしたいのであれば、普段の地道な活動こそ大切。
といっても、御神体を掲げて呪文を繰り返すのでは意味がなくて、もっと具体的な「目指す結果につながる道筋」を説かなければならない。それをどんだけやってるんですか、と。年に一度、集まって気勢を上げるだけでは同窓会と変わらない。
たとえば、国防意識を涵養したいというなら、「愛国教育」なんて抽象的な話ではなくて、もっと具体的な話をしないと。
とりあえず、スウェーデンの陸軍博物館と空軍博物館にある展示やパネルを見てこいよと。ああいうのこそ、本当に「国防意識の涵養につながる」んではないのかな ? 北欧におかしな幻想を抱いているヒマがあったら、せめて、北欧で過去に起きたことを調べてみたら。20 世紀以降の分だけでもいいから。
これまで長く (限りなく NATO に近い) 中立政策を通してきたスウェーデンが (フィンランドもか ?)、どうしてそれを捨て去るに至ったのか。中立を維持するためにどんだけ苦労して立ち回ってきたか。そういうところこそ見なきゃいけない。
そういえば。スウェーデン空軍博物館が面白いなと思ったのは、空軍の話だけではなくて、「護るべき日常生活」の展示を一緒にやっているところ。平和な日常生活と東西対立に起因する緊張が背中合わせ、という現実を突きつけてくる。
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