Opinion : 日々是勉強、が楽しい (2024/9/9)
 

アフィリエイト プログラムあたりが発端だったか、「個人がネット上で手軽に収入」みたいな話はいろいろ出てきているし、今もある。ところがこのてのやつはたいてい、「悪貨は良貨を駆逐する」になってしまう。

そりゃまあ確かに、「楽して稼ぐ」には悪魔的な響きがある。こういうことを書くと「楽はしていない、いろいろ頭を使っている」と反論されそうではあるけれど、相対的に見れば楽をしていると思うよ。

そして、同じことを考える人が続発するから、競合を出し抜こうとして不毛な知恵の絞り合いになりがち。

正直な話、Twitter で何か商品名を検索なんかした日には、アフィリエイト報酬狙いの人が bot みたいに同じような投稿をしつこく繰り返しているやつばかりヒットしてきて、「絶対に、こいつを介して買ったりするもんか」という意志を強固にするだけである。


それと比べると物書き業というのは、労力がかかる割にインカムが少ない傾向はある。自分でいうのもなんだけれども、「(楽して) (華やかな生活をしながら) 稼ぎたい」と思う人は、やめといた方がいいと思う。

それでも自分の場合には、読者の皆様やクライアントの皆様のおかげで、暮らしが成り立たないとか、交通費のカンパを募らなければならない () とかいう事態にはならずに済んでいる。本当にありがたいことだと思う。

では、そんな状況の中で、どうしてこの仕事を続けているかといえば。

もちろん、個人的に興味関心が深い分野で仕事ができるから、というのは大きい。そして、普通だったらできないような、レアな経験がいろいろできるのは楽しい (ただし、それを原稿にまとめるのはしんどい)。

それに加えて大きいのは、「日々、新たな勉強ができること」。

ことに、取材でいろいろなところにお邪魔して、いろいろなポジション、いろいろな経歴をお持ちの方にお話を伺うと、その度に「そうだったのか !」がある。あるいは、資料を当たって「こういうものなんだな」と分かったつもりになっていても、いざ現場現物を見ると「そうだったのか !」がある。

さらに、取材で伺ったお話を記事にする過程で裏取り調査や確認作業をしていると、そこでまた「あのお話は、そういうことだったのか !」が発生することがある。そういうプロセスが楽しくて仕方がない。

分かっているようでいて、実は分かっていないこと、知らないことがいっぱいある。それが補完されていくプロセスが最高に楽しい。

これがあるからこそ、この仕事を続けられているようなところがある。その「そうだったのか !」を読者の皆さんにお伝えすること。そして専門家と部外者の間で "通訳" をすること。それが自分のミッション ステートメント。


そんな調子だから、何か間違って () 早期リタイアできるような資金が手元に溜まるようなことになっても、たぶん今の仕事を辞めようとは思わない。身体が続く限りは続けたいというのが本音。

ただ、対象や得意分野が移り変わっていくことはあるだろうけれど。これまでにもそうしてきているし。

だいたい、早期リタイアして手持ち資金、あるいはその運用益でノホホンと暮らしてたら、(あくまで自分の場合には、だけど) ダメ人間になってしまうような気がする。人間、まっとうな形で社会との関わりを持ち続けないと、おかしくなっちゃう。

たとえばの話。仕事しなくても暮らせるからといって、自宅に引きこもって「あんな投稿」や「こんな動画」ばかり見ていたら、そりゃあ変な思想に染まる人が出てきても不思議はない。そんなヒマがあったら、自分の足で出向いて現場現物を見ろよと。

というわけでこれからまた、現場現物を見に行ってきます。

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