Opinion : 環境激変ギャップ (2026/2/23)
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先週は取材のため、初訪問の某国を訪れていた。
これに限らず、海外遠征から帰国した後で自宅の近隣などをウロウロしていると、「ほんの十何時間か前まで○○にいたのが信じられん」という気分になることが、よくある。国内のお出かけぐらいなら、そんなことはないけれども。
やはり海外となると、それが仕事だろうが遊びだろうが、テンションは上がっているし、緊張もしているのだろうなと。もちろん、そんな物騒なところには足を踏み入れないし、スパイ容疑をでっち上げられて捕まりそうな国にはハナから行かない。それでもですね。
基本的に「安全第一」でやっているけれども、それでも慣れない場所だけに気は張る。だから、全行程を無事に終えて「これで帰れる」となれば、相応に力が抜ける。それだけでなく、「あーあ、終わっちゃった」というのもある… と思う。
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ことに帰国便が JAL で、搭乗して自席に落ち着いて "I Will Be There With You" が聞こえてくると、もうそれだけでホッとしてしまってですな (さすがに他社便だと、そこまでは行かない)
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ただのお出かけでもこれだから、戦地からいきなり平和な自宅に帰ってきたときのギャップは、もう桁違いに甚だしいものになるんじゃないか。なんてことを考えた。
生死をかけて戦争しに行っていたら、緊張感はもう、普通のお出かけとは比べものにならないレベルであるはず。それが、十何時間か (いや、もう少しかかるか) の移動で、いきなり平和な日常環境に放り込まれたら、落差がありすぎる。
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軍人ではなくて物書き業やカメラマンでも、戦地の取材に行くような場面だと、それに近いものはありそう。自分には務まりそうもないけれど。
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その落差が問題になるという話は、だいぶ前に何かで読んだ。それと比べれば、自分の経験なんていうのは「屁」みたいなものであるのは間違いない。それでも、クールダウン期間が要るんだろうなというぐらいのことは納得がいく。意図的に海路でゆっくり帰国させる、みたいなやつ。
そういえば、米軍の特殊作戦部隊員の間では、勤務の傍らで学位を取る際に心理学を学ぶ人がけっこう多いらしい。やはり職業柄、心理的なあれこれに対する関心が強くなるんだろうか。任務の中で、人の心理が絡む場面が多そうでもあるし。
と、ここまでは殊勝な話。
この、「いきなり周囲の環境が激変したときの心理的影響」を悪用する場面も、もしかしたらあり得るんじゃないだろうか。なんてところに話が進んでしまうあたり、我ながら性格が悪い。
年明けに、いきなりデルタが邸宅に突入してきて身柄を拘束されたベネズエラのマドゥロ大統領なんか、その「環境の激変」の最たるものじゃなかろうかと。いや、最たるものでなかったとしても、相当なレベルの落差に見舞われたのは確かじゃないかと。
ということはですよ。たとえば誰かさんをとっ捕まえて尋問するような場面で、その「環境の激変に起因する心理的ショック」みたいなのを意図的に起こして、利用するような場面がないって言い切れる ? と。そんなことを考えてしまって。
あいにく自分は尋問の専門家でもなんでもないから、この辺の詳しい手法については何も知らない。もしかしたら「そんなことは日常的にやられている」とツッコミが来るかも知れない。ド素人が考えるようなことなら、専門家だって考えてるだろうし。
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