Opinion : いわゆる「福島発言」の件と「成城」へのレスポンス (2006/6/15)
 

意外な兵器輸出国」の冒頭で引き合いに出した「福島発言のコピペ」に関する一連のコメントについて、「成城トランスカレッジ」(以下「成城」) の chiki さんから 反論を頂戴 した。

改めて双方の言い分を並べてみると、こちらにも落ち度はあるし、考えや解釈が食い違っている部分がいろいろあることが分かる。この件とその周辺の話題について、個人的に思うところもいろいろあるので、まとめて書いてみた。


まずは、問題の「福島コピペ」から始めるべきだろう。

エントリー執筆当時「日本はスイスのような平和中立国を目指すべきなんですぅ」で検索すると一番上に表示されるサイトであることが一番の理由で

何の SEO もしていなければ、他所のサイトにこの件でリンクを求めることもしていなかったのに、なんでまた (苦笑)

少なくとも、社民党が社会党時代から基本的に「非武装中立」を主張して日米安保体制に反対しているのは周知の事実。また、日米安保体制を否定して中立国を礼賛する人の中には、スイスやスウェーデンの「永世中立」というポジションを高く評価している人が少なからず存在する。それに対する反論という形で、件の記事をライブした。

そこで、たまたま記憶していた福島発言 (のコピペ) を「ネットで検索すると、こういう類の発言って、よく出てくるよね」ということで引き合いに出したのが、「意外な〜」の冒頭に書いたもの。だから、番組名も日時もつけずに「検索すると出てくる〜」という取り上げ方にして、よくある「福島は売国で云々」みたいなフレーズも使わなかった。これは、「売国」とか「憂国」とかいう類のフレーズが個人的に大嫌い、ということもあるが。

それゆえ、はなから真贋について論じるつもりはなくて、「こういう主張をしてる人がいるよね」という例示以上の意味はなかったのだが、「根拠もないのに実名付きで書いた」点が問題だというなら確かに御指摘の通り。「こういうコピペが出回ってるけど真偽の程は不明」と付け足さなかったのは、当方の落ち度。後で直しておこうと思う。


「ソースの重要さを説くそのエントリー自体ソースの確認を怠ってるじゃん」という指摘

については、

「ガセビアと確定してよさそう」というフレーズを「今のところソースないから、コピペコミュニケーションは危ういかもよ」に訂正したわけですね。

のくだりに関わってくる。

「裏付ける動画が出てきていない」という状況は、当初も現在も変わっていない。しかしながら、初出時には「ガセビアと確定してよさそうです」と断じていた。そして、そのことを基にして「コピペコミュニケーションは危ない」から「(福島発言の) ソースの確認を怠っているアイロニカルな記事」という文脈につながる。最終的に、その文脈に立脚する批判を頂戴した。そういう話の流れと理解している。
「ソースのないコピペが流布することの危険性」が本題であれば、そういうタイトルを付けてくれればよかったのにと思うが、それについてはまた後で書くとして。

普通、「確定してよさそうです」と書かれれば、「100% とはいえないかもしれないが、それに限りなく近い」という意味と受け取れる。実際、同じエントリで「この発言はネタ、デマの可能性が極めて高いと思います」という記述もある。
よって、確たる自信と根拠があって批判してきたんだろう、というのが当初の受け止め方だった。その時点では、「福島コピペ」の信頼性に疑義を呈することで、記事全体の趣旨に疑義を呈するつもりなのかと思っていたため (chiki さんのコメントによると、それは違うそうだけれど)、「意外な〜」の冒頭にチョコマカとコメントを追加したのが、確か 8 日のこと。

それと前後する形で「成城」側に訂正が入り「『ガセ確定』ではないよという話。そのとおりですね」とトーンダウンしたことで、「実は、発言を否定する論拠が最初から明瞭でなかったのか ?」「なのに、こちらにはソースが明瞭であることを求めるのか ?」となった。それを受ける形で、9-10 日にかけて「意外な〜」の末尾にコメントを移して、何回か書き直しつつ加筆した経緯がある。

なお、「(件の発言が存在しないという) 結論が一人歩き」という記述は、この「ガセビアと確定してよさそうです」の部分に適用するつもりで書いた。
実際、「やじうま Watch」の記事にしろ 2ch の検証スレッドにしろ、「福島発言はガセと確定してよさそう」という結論を受ける形で真贋論争の部分に重きが置かれている状況があるから、「(真贋論争が) パフォーマンスの面で機能してはいない」という認識には疑問がある。

時系列としては、コメントの末尾移設を最初に行った後で「成城」の当該エントリからリンクが削除されたのを確認したため *、「荒らされてるわけでもないのに、なんだってまた、自分で張ったリンクを自分で切るんだ ?」という疑問が生じた。なにせ、掲示板はないし、blog が炎上どころかボヤにすらなっていないのは見れば分かる。だから、当サイトについていえば "まったく荒らされていない" のは一目瞭然であり、「荒らし」を理由としてリンクを切るのは筋が通らない。
(* フルタイムで常に見ていたわけではないから、いつの時点でリンクが外されたのかは知らない)

そのため、実情に合わない理由を掲げてリンクを切った時点で、「何かウソいってんじゃないの ? 都合の悪い話でも出てきたんじゃないの ?」という不信感を持つ結果になった。荒らしが出たのなら、荒らされたサイトだけリンクを切れば済むのだし、そもそも当初の批判に自信があるからリンクしたんじゃなかったのか、と。

はっきり書いてしまうと、当人にばれないところで「欠席裁判」をやったのではないかと受け取った。それであれば、こちらがリアクションを起こした途端にリンクを切ったことの説明がついてしまう。こんなことを書くと「被害妄想にも程がある」といわれそうだが、それなら最初からリンクを切ることはなかったのだ。

それゆえに、発言の有無を検証する内容に疑義を呈したり、ソースを求めることの無限ループに言及したり、という内容のコメントを加筆した。実は、当初に批判を頂戴したことよりもむしろ、このトーンダウンの方が、コメント加筆の動機としては強い。リンク削除が、さらに燃料を投下した形になっている。


その、「福島発言」の真贋論争について。

まずソースの真偽確認をする際は、「あった」の証明は、動画ソースや発言の回が特定できる資料があればことたります。しかし「なかった」の証明は、「朝生」(+ サンプロ) の福島出演の回の過去動画をすべてチェックしたことを、その経過とともに提示しなくてはならない。

これは 2ch の当該スレでも頻出するフレーズだが、「証明」という言葉の解釈に食い違いがある。つまり、「証拠調べ」のフェーズと「結果提示」のフェーズに分けて論じる必要がある。

今回のようなケースでは、「ある」にしろ「ない」にしろ、まず過去動画を全部リストアップして、再生しながら検証しなければならないという点で、手間はまったく変わらない。実際「朝生」説も「サンプロ」説も「その他」説もあるし、記憶もバラバラだから、特定日時の放送にピンポイントで絞り込むのは不可能な相談。

時系列にしても、コピペが出現したタイミングと放送のタイミングが一致しているとは限らないから、コピペの時系列に合わせる形で対象を絞り込むのは無理がある。となれば、片っ端から見て確かめるしかない。もっとも、捏造派からすると、その不明瞭さ自体が捏造の根拠だということになるようだけれども。

「ある」と「ない」に差が生じるのはその後の話で、結果を他人に提示する際に「一瞬を提示すれば済むのか」「全部を提示しなければならないのか」の違いになる。その「結果提示」のフェーズをもって、「ある」の証明の方が簡単であるかのように論じるのは、「真偽確認」という言葉に対して「証拠調べ」と「結果提示」を混用した、一種の詭弁ではないか。

なんにしても、現時点では「ある」派も「ない」派も確たる証拠がない状態だから、調査の進展を静観するしかないのでは。

それと、

「大手メディアと政治家事務所がコメントの掲載を許可する、というパフォーマンスが持つ発言的な重み」

というところに関わってくるのだが、仮に件の発言がどこにも実在しないのであれば、"発言に重みがある" はずの当の本人がひとこと、Web でも記者会見でも声明でも何でもいいのだが、「私はそんな発言はしてませんし、私の意に反するものです」と公に否定すれば済む話。それをどうして、わざわざ他人任せにするのか。却って話がややこしくなるだけであり、あまりにも腑に落ちない。

実際、怪文書だろうがネットの流言飛語だろうが、「これが自分の発言として流布することは事実に反しており、自分の立場を毀損するものだ (または毀損された)」等の認識があれば、反論したり法的措置に出たりするのはよくある話。だからこそ、「成城」の chiki さんからは、自らエントリを立てての反論を頂戴した。私もこうして、自分のサイトで、自分の名前で書いている。どうして、それと同じことをしないのか福島事務所、と。

なにしろ現状は、chiki さんがどこか他所の blog に依頼して「私の反論を取り上げてください」と依頼して、自身は沈黙を守るようなもの。身の証を立てるなら、他人にやらせるより自分でやる方が信憑性があるだろうに。逆に、「どうでもいい」と思っているのなら、わざわざ「取り上げてくれ」とは書かないだろう。

おまけに、当該エントリには「『福島瑞穂の迷言』という都市伝説について」というタイトルがついている。これでは、書き手にその気がなくても「福島党首を擁護するために書いたエントリ」であるかのように見られても仕方ない。しかも、福島事務所から「ぜひ取り上げてください」といわれた、という内容を含んでいることでもあるし。

もっとも、Web や blog に載せる記事は冒頭の「つかみ」が大事だから、こちらが「つかみ」として冒頭に福島コピペを使ったのと同様、「迷言」「都市伝説」という刺激的な (?) 言葉をタイトルにしたのも「つかみ」だと解することもできる。しかしタイトルがこれでは、「コピペ依存の問題点」より「福島発言の真贋」が主題なのだと思われても仕方なかろう。

ひょっとして、仮にテレ朝の番組では発言していないとしても、どこか別の場所で似たような発言があったのだろうか ? はたまた、発言は実在しなくても意に沿ってはいるのだろうか ? おっと。


書いてみたら妙に長くなってしまったが、冒頭のコピペ引用については「根拠不明瞭と明記しなかった手落ちがある」、発言の真贋については「現時点ではどちらにも与しないで静観中」「そもそも、当人がひとこと言えば済む話だろうに、どうしてまた他人任せにしたのか疑問だ」ということで、ひとまずボールを返したい。


追記。

これをライブした後で、えらく迅速なレスポンスを頂戴した。これ以上続けても不毛な水掛け論になるのは確かと思われるので、こちらとしても、とりあえずこれで終了。


関連記事 :
意外な兵器輸出国 (2005/9/19)
続・意外な兵器輸出国 (2006/6/12)

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