Opinion : やっぱり "嫌い嫌いは好きのうち" なんじゃあ… (2013/3/25)
 

前に「贔屓と嫌悪の背中合わせ」で、こんなことを書いた。

なんというかこう、「嫌い嫌いは好きのうち」とはちょっと違うかもしれないけれども、「嫌うが故に、却って気になって仕方がない」「でも、自分の目につくところからは消え去って欲しい」というパラドックスに陥っていないかどうか、考えてみてもいいんじゃないかと思う次第。

これ、やっぱりあるわ。と思ったのが、「トルコ国防相が訪日に合わせて、武器共同開発の話を打診云々」と「シャープがサムスンに第三者割当増資」の話。
どちらも「韓国嫌い」の人がいろいろと吹き上がっていた様子。後者は直接的に韓国企業の名前が出てくるからまだしも、前者は背景事情が分からないと「なんで ?」と思われそう。


当サイトにお越しになる方なら御存知ということが多そうだけれど、トルコが韓国の協力を得て国産戦車の開発を進めたり、韓国製の自走榴弾砲を輸入したりしている。だから、韓国嫌いの人の脳内では「韓国と組んでいる国産戦車の開発が難航 → 日本に協力を打診」とリンクしてしまったらしい。

なんだかなあ。よしんばそれが本当だったとしても、私がトルコ軍の調達部門・SSM (Savunma Sanayii Mustesarligi) の中の人だったら、日本じゃなくてアメリカかドイツに協力を依頼するけどねえ。

という話はともかく。

ちょっとでもリンクできそうな材料があると、何でもかんでも手あたり次第・後先構わずに「韓国否定」につなげようとする人っているんだなあ、と実感した次第。一切合財否定するな、なんてことはいわないけれど、問題は「何でもかんでも手あたり次第・後先構わず」にある。

正直いって、そういうことばかりやっていると日本人の品格に関わると思う。それに、「そんなに韓国のことが嫌いで不愉快な存在なら、どうしていちいち気にして突っかかるのさ」とも思う。そこが、冒頭の引用で「嫌い嫌いは好きのうち」と書いた所以。

これ、韓国とか中国とかいう話に限らず、ネット上で喧嘩していたり、対立していたりする相手との関係にもいえること。実は、その対象のことが気になって仕方なくて、いちいち突っかかってしまうケース、ありそうである。

そういえば、「航空情報」誌で韓国の KT-1 練習機について書いたときに「輸出市場ではハンデを負っている割に健闘している」って書いたけれど、これに直接的にクレームをつけてきた人はいない。

実は、陰で何か書かれているかもしれないけれど、本人に見えないところでやっていれば、それは存在しないのと同じこと。それに、そういうのをいちいち気にしていたら職業物書きは務まらないから、どっちにしてもスルー。多分、わざわざ探し出して御注進に及んでも見に行かないと思うので、放っといてね。


と、ここまで書いて「これって要するに、"スルー力" の話か」と思ったけれど、実はそれだけではないかも。もうひとつ、「嫌いな誰かさんを落として叩いてケチをつけまくることでプライドを支えている」っていう側面もあるのかなあと。それでは、中韓の「愛国無罪」を笑えない。

そりゃまあ、物事の優劣には相対評価的な側面もあるから、相手を落とせば相対的に自分の評価が上がると思うかもしれないけれど、それって本質的な向上にはつながっていないわけで、相手を叩いて落とすことにばかり力を入れる暇があったら、自分のレベルアップに、もっとエネルギーを使えばいいのに、と思う次第。

そういえば先週、韓国で大規模なサイバー攻撃事件があったけれども、それを聞いて某元国会議員みたいに「ざまーみろっ」とはしゃいで終わりになるか、それとも「対岸の火事ではない」として危機感を持ったか。そういうところでも、見識というか冷静さというか、そんなところが問われたと思う。

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